水族館はいつも冷やりとした水族館的沈黙に支配されていて、時折ぴしゃぴしゃと水のはねる音がどこからともなく聞こえてくるだけだった。仄暗い廊下の角で半魚人が息をひそめているような感じだった。
村上 春樹「羊をめぐる冒険」に収録 ページ位置:7% 作品を確認(amazon)
この表現が分類されたカテゴリ
水族館
しおりに登録する
前後の文章を含んだ引用
......的に異っているのだ。 我々は鯨ではない──これは僕の性生活にとって、ひとつの重大なテーゼである。 子供の頃、家から自転車で三十分ばかりのところに水族館があった。水族館はいつも冷やりとした水族館的沈黙に支配されていて、時折ぴしゃぴしゃと水のはねる音がどこからともなく聞こえてくるだけだった。仄暗い廊下の角で半魚人が息をひそめているような感じだった。 まぐろの群れが巨大なプールをぐるぐるとまわり、ちょうざめは狭い水路を溯り、ピラニアは肉塊に鋭い歯を立て、電気うなぎはしみったれた豆電球をぽつぽつとともしていた......
ここに意味を表示
水族館の表現・描写・類語(店・施設のカテゴリ)の一覧 ランダム5
中は、今風の薄暗いデート向けの照明で、
平野啓一郎「ある男」に収録 amazon
このカテゴリを全部見る
「店・施設」カテゴリからランダム5
牢から出てきたばかりの今日の高杉は、まるで鞘からぬけでた瞬間の名刀のようだ。
林 房雄 / 青年 (1964年) amazon
時間は午後の一時半で大食堂は八分の入り。
東海林 さだお「タコの丸かじり」に収録 amazon
同じカテゴリの表現一覧
店・施設 の表現の一覧
風景表現 大カテゴリ