店先に寄り衣裳 の流行の様子を見たり、月光石 の粒を手に掬 って、水のようにさらさら零 しながらも、それは単なる女の習性で、心は外に漠然としたことを考えていた。
岡本かの子 / 河明り ページ位置:60% 作品を確認(青空文庫)
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上の空・心ここにあらず
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前後の文章を含んだ引用
......天蓋のような屋根を冠っているだけである。癒 し難い寂しい気持ちが、私の心を占める。 「ここは新嘉坡の銀座、ハイ・ストリートといいます」 と社長にいわれて、二つ三つの店先に寄り衣裳 の流行の様子を見たり、月光石 の粒を手に掬 って、水のようにさらさら零 しながらも、それは単なる女の習性で、心は外に漠然としたことを考えていた。 「この娘を首尾好く、その男に娶 わすことが出来たとしても、それで幸福であるといえるだろうか。」 けれども、そう思う一方にまた、私は無意識のうちに若者と娘が暫 く茲 に......
単語の意味
月光(げっこう)
月光・・・月の光。
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その声は僕の耳をすり抜けていくだけだった。別のことを考えていた。
重松 清「流星ワゴン (講談社文庫)」に収録 amazon
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いきが苦しくてまるでえらえらする毒をのんでゐるやうでした。
宮沢賢治 / ひかりの素足
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