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(深夜の盛り場)たてた戸の間から金盥 を持って風呂へ出かけてゆく女の下駄が鳴り、ローラースケートを持ち出す小店員、うどんの出前を運ぶ男、往来の真中で棒押しをしている若者などが、異様な盛り場の夜更けを見せている。昼間は雑閙 のなかに埋れていたこの人びとはこの時刻になって存在を現わして来る
梶井基次郎 / ある心の風景 ページ位置:86% 作品を確認(青空文庫)
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深夜
歓楽街・盛り場
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前後の文章を含んだ引用
......しまっている。所どころに嘔吐 がはいてあったり、ゴミ箱が倒されていたりした。喬は自分も酒に酔ったときの経験は頭に上り、今は静かに歩くのだった。 新京極に折れると、たてた戸の間から金盥 を持って風呂へ出かけてゆく女の下駄が鳴り、ローラースケートを持ち出す小店員、うどんの出前を運ぶ男、往来の真中で棒押しをしている若者などが、異様な盛り場の夜更けを見せている。昼間は雑閙 のなかに埋れていたこの人びとはこの時刻になって存在を現わして来るのだと思えた。 新京極を抜けると町はほんとうの夜更けになっている。昼間は気のつかない自分の下駄の音が変に耳につく。そしてあたりの静寂は、なにか自分が変なたくらみ......
単語の意味
往来(おうらい)
異様(いよう)
往来・・・1.行き来(いきき)。行ったり来たりすること。
2.道路。通り。
2.道路。通り。
異様・・・様子が普通とは変わっているさま。他とあまりに違っていて、変に思われるさま。
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窓の外の畑に並ぶオリーブの木は、今しばらく深い滋養の闇を吸い続けるだろう。
村上春樹「スプートニクの恋人 (講談社文庫)」に収録 amazon
店々の灯もあらかた消えた舗道には、野良猫が群れていた。
浅田次郎 / 角筈にて「鉄道員(ぽっぽや) (集英社文庫)」に収録 amazon
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(場末の盛り場)ビール瓶が山となって割れてあったりと、とにかく乱雑なものであって、まあよくゆや人懐っこく気取らぬ地域ではあるけれども
川上 未映子「乳と卵(らん) (文春文庫)」に収録 amazon
花見帰りの金魚のようなお嬢さんや、紳士達が、夜の駅にあふれて、あっちにもこっちにも藻 のようにただよい仲々賑 かだ。
林芙美子 / 新版 放浪記
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そのカフェは、温室じたての建物のなかにあった。
吉本 ばなな「アムリタ(下) (新潮文庫)」に収録 amazon
港といっても黒い小石をつみかさねた舟着場が一つあるだけで、浜辺には頼りなげな小舟が二 隻、引き揚げられている。
遠藤周作「沈黙(新潮文庫)」に収録 amazon
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僕はソファーの上で目を覚ました。灯りは消え、部屋は濃い夕闇に覆われていた。体の芯から指先までがしびれていた。皮膚をとおしてインク色の夕闇が体にしみこんでいるような気がする。
村上 春樹「羊をめぐる冒険」に収録 amazon
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