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耳の注意を振り向けるあらゆるところに、潺湲 の音が自由に聴き出され、その急造の小渓流 の響きは、眼前に展開している自然を、動的なものに律動化し、聴き澄している復一を大地ごと無限の空間に移して、悠久に白雲上へ旅させるように感じさせる。
※備考※ 大雨の直後
岡本かの子 / 金魚撩乱 ページ位置:95% 作品を確認(青空文庫)
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雨上がり・晴れ間がのぞく
洪水・河川の氾濫
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前後の文章を含んだ引用
......一つずつ蔵していて、溢れる生命に喘いでいるように見える。しどろもどろの叢 は雫の露 をぶるぶる振り払いつつ張って来た乳房 のような俵形にこんもり形を盛り直している。 耳の注意を振り向けるあらゆるところに、潺湲 の音が自由に聴き出され、その急造の小渓流 の響きは、眼前に展開している自然を、動的なものに律動化し、聴き澄している復一を大地ごと無限の空間に移して、悠久に白雲上へ旅させるように感じさせる。 もろもろの陰は深い瑠璃色 に、もろもろの明るみはうっとりした琥珀色 の二つに統制されて来ると、道路側の瓦 屋根の一角がたちまち灼熱 して、紫白 の光芒 を撥開 し、そこから......
単語の意味
眼前(がんぜん)
悠久(ゆうきゅう)
眼前・・・目の前。その人が見ているすぐ目のところ。目前(もくぜん)。
悠久・・・悠か(はるか[=甚だしいほど])に久しい(ひさしい[=かなり長い年月がたつ])こと。果てしなく長く続いていること。永久(えいきゅう)。「悠」は訓読みで「はる(か)」「とお(い)」と読める。
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流れはいよいよ、ふくれ上り、海のようになっている。
太宰治 / 走れメロス
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八時を過ぎた太陽の光が、紅葉坂 の桜並み木を黄色く見せるほどに暑く照らしていた。
有島武郎 / 或る女
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台風が去ったあとの川には、畳や 窓枠 などと一緒に、額に納まったままの油絵や木製の置き物といった思いもかけない漂流物が流れてくる。付近の子供たちは、手に手に長い 竿 や網を持って河畔に集まり、めぼしい品を引きあげて晴れた空に乾かすのである。それが台風のあとの楽しみでもあった。そしてこんな日は、 鮒 や鯉の群れが、日がな一日川面に浮きあがって疲れた体をのんびり 癒していた。
宮本 輝 / 泥の河「螢川・泥の河(新潮文庫)」に収録 amazon
び、び、び、と傘の耳を鋭い風の戦慄 と、雹 みたいな雨つぶの音が、横に、なぐッて行く。
吉川英治 / 無宿人国記
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