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虫が葉の表面を、針の先ほどの隙もなく覆う

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青葉の影の透き通るような光を仰ぐ

陽にあたって青葉の音が色が雨のように薫じているところ

林芙美子 / 新版　放浪記

葉が繁って、木の下はまるで青い海が出来たような午後であった。

有吉佐和子 / 紀ノ川　amazon関連カテ青葉・葉っぱ樹木・木々

木の葉の一枚一枚が宝玉の一断面のように輝く

佐藤春夫 / 田園の憂鬱　amazon

葉は、冷たい汗をかいたように朝露にびっしりと濡れている

関連カテ朝青葉・葉っぱ露（つゆ）

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虫のギザギザのある細かい足

地から湧くような虫の鳴き声

糸の縫い目に、白い埃のように虱（しらみ）たちがじっとかくれている

遠藤周作 / 沈黙　amazon

毒々しい腹を見せた蝶の幼虫

タガメは金魚に取付くのに凶暴性（きょうぼうせい）を持つ害虫である。

岡本かの子 / 金魚撩乱

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根方のところの上が壊（くず）れて大鰻（おおうなぎ）をこねたような根が幾筋ともなくあらわれた

泉鏡花 / 高野聖　amazon

大きい橡（とち）の木が一本、太ぶとと枝を張った下へ来ると

芥川龍之介 / 河童

（白樺はよく燃える）白樺の皮へ火をつけると濡れたまま、カンテラの油煙ゆえんのような真黒な煙を立てて、ボウボウ燃えた。

志賀直哉 / 焚火「城の崎にて・小僧の神様 (角川文庫)」に収録　amazon関連カテ白樺（しらかば）紙などが燃える焼く・燃やす

丈の高い椿が、この清楚な竹藪のなかの異端者のように、重苦しく立っていた。

佐藤春夫 / 田園の憂鬱　amazon関連カテ樹木・木々森林・ジャングル

銀杏（いちょう）が金色をしている。

林芙美子 / 新版　放浪記関連カテ紅葉銀杏（いちょう・ぎんなん）

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油を焦がすようだった蝉の音も次第に消えて行く

水上瀧太郎 / 山の手の子「俤 (百年文庫)」に収録　amazon

蜘蛛の巣が霧の粒を宿して空中に姿を現す

内海隆一郎 / 街の眺め　amazon

蝉がジッジジッジと鳴いた。

梶井基次郎 / 城のある町にて

一匹の蠅が、格子から飛びこんできて、ねむけを誘う羽音をたてながら司祭の周りを廻りはじめる。

遠藤周作「沈黙（新潮文庫）」に収録　amazon

（ウスバカゲロウ）小娘の息のようなふわふわした小さな虫

佐藤春夫 / 田園の憂鬱　amazon

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