急に世の中が悲しく見える事があった。何事もただ明るく快く頼もしくのみ見えるその底からふっと悲しいものが胸をえぐってわき出る
有島武郎 / 或る女(後編) ページ位置:70% 作品を確認(青空文庫)
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悲しみがこみ上げてくる
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前後の文章を含んだ引用
......ように赤くなって、それを見ただけでも、貞世は何か興奮して向こうを向きながら泣いているに違いなく思われた。覚えがないではない。葉子も貞世ほどの齢 の時には何か知らず急に世の中が悲しく見える事があった。何事もただ明るく快く頼もしくのみ見えるその底からふっと悲しいものが胸をえぐってわき出る事があった。取り分けて快活ではあったが、葉子は幼い時から妙な事に臆病 がる子だった。ある時家族じゅうで北国のさびしい田舎 のほうに避暑に出かけた事があったが、ある晩......
単語の意味
胸(むね)
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哀しげな目をしていた。こちらがじっと見返すと、静かに溶けてしまいそうな視線だった。はかなげでありながら、胸の奥にしみ込んできて無視できない影を残した。
小川 洋子 / 夕暮れの給食室と雨のプール「妊娠カレンダー (文春文庫)」に収録 amazon
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