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エンジンを点火させた。マフラーの先端に五円玉ほどの大きさの穴が空いていて、そこから一〜二秒間、灰色の煙が上がる。煙と雨の組み合わさった匂いは、化学的な毒々しさを秘めていた。湿っていたものが急に焼かれ、やがて水分を寄せ付けぬほどにまで熱くなる。
羽田 圭介「ミート・ザ・ビート (文春文庫)」に収録 ページ位置:26% 作品を確認(amazon)
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エンジン・モーター
紙などが燃える
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前後の文章を含んだ引用
......たり前の光景だが、彼はしばし目を奪われた。紫外線防止のためか、小さなスクーターには不釣合いなフルフェイスの赤いヘルメットを被ると、シールドを目元まで下ろしてからエンジンを点火させた。マフラーの先端に五円玉ほどの大きさの穴が空いていて、そこから一〜二秒間、灰色の煙が上がる。煙と雨の組み合わさった匂いは、化学的な毒々しさを秘めていた。湿っていたものが急に焼かれ、やがて水分を寄せ付けぬほどにまで熱くなる。地味女はすでにびしょ濡れだが焦るような動作はいっさいせず、アクセルをゆっくり開きながら駅前ロータリーへ出て、すぐに遠くへ行ってしまった。※ 夜も七時半を過ぎてし......
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エンジンの回転音をむやみに夜の厚い空気の層へひびかせる
大江 健三郎 / 芽むしり仔撃ち amazon
赤ん坊が口唇で遊ぶときのプリプリと鳴らすようなエンジン音
伊集院 静 / 三年坂 amazon
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青い焔が燃え、赤い表紙が生き物のように反り始め
梅崎 春生 / 桜島 amazon
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こまかい錫(すず)の破片を浮かべたように日にキラめく爆撃機の機影
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空は真赤に燃えさかって火の粉が、高く空できらきらと金泥のように輝いていた。
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切燈台の油が鳴る。赤い真綿のやうな火が、ゆらゆらする。
芥川龍之介 / 芋粥
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