私の家の食卓を賑わしているのは「新高梨」という、子供の頭ほどもある、重さにすれば一個一キロ以上の、土佐特産の梨の品種である。

滑らかな黄金色の皮を剥いて米の字に包丁を入れる片端から、蜜のような汁が指の股からぽたぽた滴り落ちる

キメの細かい果肉は歯触りがサクサクとして、口の中に溶け込むように軽い

ショリショリというか、シャリシャリというか、歯にコツコツ当たるようなかすかな衝突感

ラ・フランスを食べたときのカルチャーショック。豊かな香りとネットリしたような舌触り、それに甘みも、日本の梨とはまったく違う。いかにも外国の果物って感じだ。

いちじくのはじけたの

料理のコースの終りのメロンも喰べ終って、皮にたまった薄青い汁を小匙（こさじ）の先で掬（すく）っていた。

小さい桃のかけらを口に含むと、生ぬるい、舌を包み込むような甘さが口に広がった。

ザクロの実を押しつぶすと粒の皮がプチプチと破れてたくさんの果汁が溢れてくる。そうやって出来上たザクロジュースは赤ワインの様に透き通った紅色でとっても美しい。実際に口に含むと芳醇な香りと味。甘い果汁に少し酸味で、濃厚なのにさらりと飲める。しかも絞りたてだからフレッシュで旨い。

桃はもう、始めから終わりまで、グジャグジャ、ボタボタ、グズグズ、食べ終えてもすっきりしない