谷間から煙のように流れて来た夜霧
横光利一 / 日輪 ページ位置:45% 作品を確認(青空文庫)
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霧・かすみ・もや
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前後の文章を含んだ引用
......ねながら、蜜柑の枝の下から裾の方へ下っていった。 訶和郎は垂れ下ったまま蜜柑の枝に足を突っ張って、遠くへ荷負 われてゆく卑弥呼の姿を睥 んでいた。兵士たちの松明は、谷間から煙のように流れて来た夜霧の中を揺れていった。 「妻を返せ。妻を返せ。」 蜜柑の枝は、訶和郎の唇から柘榴 の粒果 のような血が滴 る度ごとに、遠ざかる松明の光りの方へ揺らめいた。その時、兵士たち......
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霧・かすみ・もやの表現・描写・類語(雨・霧のカテゴリ)の一覧 ランダム5
濃い乳白色の霧の厚い層の向こうに、ひそかなバラ色の明るみがある
大江健三郎 / 芽むしり仔撃ち amazon
紫色の霞がたなびき、これに入日の光がさして金粉を散らしたように見えた。
大仏 次郎 / 帰郷 amazon
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「雨・霧」カテゴリからランダム5
わたしたちが鎖場を抜けるのを待ってくれていたかのように、ゆるやかに広がっていた雨雲は最初の一滴を落とした直後、急激に色を変え、激しい雨を降らせ始めた。
湊 かなえ「花の鎖 (文春文庫)」に収録 amazon
雨の澳門、それはこの憐れな町を更にみじめにするだけです。海も町もすべて灰色に 濡れ、
遠藤周作「沈黙(新潮文庫)」に収録 amazon
世をあげて太陽のためのお通夜をしているような、陰気な雨が降りつづく
宮部 みゆき / とり残されて amazon
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