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自分が早く話せないことに苛立つ時があった。頭の中には膨大なイメージが渦巻いているのに、それを取り出そうとすると言葉は液体のように崩れ落ちて捉まえることが出来ない。《…略…》一つ言葉が耳に入ると、そこから派生した別個の流れが生まれ、頭の中でいくつものイメージが交錯して、どこから手をつければいいのかわからなくなるのだ。
又吉 直樹 / 火花 ページ位置:11% 作品を確認(amazon)
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口下手・話下手・うまく言葉にできない
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前後の文章を含んだ引用
......唐突に電話は切れる。そして、数分後に「充電切れてもうた。またな」というメールが届く一連の流れが恒例となった。 神谷さんの淀みなく流れるような喋りを聞いていると、自分が早く話せないことに苛立つ時があった。頭の中には膨大なイメージが渦巻いているのに、それを取り出そうとすると言葉は液体のように崩れ落ちて捉まえることが出来ない。複数人での会話になると更に症状は顕著だった。人の数が増えると言葉の数も増える。一つ言葉が耳に入ると、そこから派生した別個の流れが生まれ、頭の中でいくつものイメージが交錯して、どこから手をつければいいのかわからなくなるのだ。神谷さんは、そんな僕を面白がってくれた。「早いテンポで話した方が情報を沢山伝えることが出来んねん。多く打席に立てた方がいいに決まってるやん。だから、絶対に早く話......
単語の意味
厖大・膨大(ぼうだい)
渦巻く(うずまく)
厖大・膨大・・・1.形や内容が、とても大きいさま。非常に数量が多いさま。
2.ふくらんで大きくなること。(膨大のみ)
2.ふくらんで大きくなること。(膨大のみ)
渦巻く・・・1.水や煙がグルグルと回って渦になる。ある感情が心の中に渦のようにグルグルと存在する。
2.気持ちや考えが次から次へと起こって、ごちゃごちゃになる。
2.気持ちや考えが次から次へと起こって、ごちゃごちゃになる。
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(訳が分からない話)大助の話は、数発の花火がポンポン打ち上げられたようなもので、瞬間的であり、印象的であり、結局なんの事やら訳がわからなかった。
石坂 洋次郎 / 山のかなたに (1954年) amazon
何か言おうとしたまま、言葉が出てこないので、結局、黙って頷いただけだった。
平野 啓一郎「マチネの終わりに (文春文庫)」に収録 amazon
僕は言葉に詰まる。迷ったのではなく、頭の片隅をよぎることすらなかった問いだった。最後までジグソーパズルを仕上げたはずなのに、ふと見たら床に小さなピースが一片落ちていた、そんな感じだ。
重松 清「流星ワゴン (講談社文庫)」に収録 amazon
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伊坂 幸太郎 / オーデュボンの祈り amazon
(ものの名前を教える)Aは私の知識の中で名と物とが別であった菩提樹 をその窓から教えてくれました。
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