波の音・潮騒の表現・描写・類語(音の響きのカテゴリ)の一覧 ランダム5
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「音の響き」カテゴリからランダム5
その音に関することは、発生源も音色も響き具合も何もかもがあいまいなので、わたしは言葉を失ってしまう。それでも時々、あまりのあいまいさのために心細くなり、何かにたとえてみようと思うことがある。冬の噴水の底に沈んだコインが一粒の水しぶきとぶつかった時つぶやく音、メリーゴーランドから降りた後耳の奥にあるかたつむり管の中でリンパ液が震える音、恋人からの電話が切れた後受話器を握った掌の中を真夜中が通り過ぎてゆく音……。しかし、こんなたとえで一体何人の人が、その音について理解してくれるというのだろう。
小川 洋子 / ドミトリイ「妊娠カレンダー (文春文庫)」に収録 amazon
ヒールが駐車場のアスファルトに打ち付けられる音
羽田 圭介「ミート・ザ・ビート (文春文庫)」に収録 amazon
頭の芯に何千もの針が突き刺さってくるような静けさ
高橋 三千綱 / 九月の空 amazon
「水面・水中・水辺」カテゴリからランダム5
まだ海水は冷たいですが、裸足になって、波打ちぎわを走り廻り、やってくる波の水を蹴ちらすのも何となく愉快なものです。
武者小路実篤 / 若き日の思い出 amazon
広い海の面が旗でもなびくように、うねりが出て来て、そして又それが細かく、せわしなくなった。
小林多喜二 / 蟹工船
上のほうからたるみなく吹き落として来る風に、海面は妙に弾力を持った凪 ぎ方をして
有島武郎 / 生まれいずる悩み
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