一面若葉をつけた矮樹林 の間を、汽車は走った。それらは、緑の波のように、列車の左右で泡立ち戦いだ。
宮本百合子 / 伸子 ページ位置:49% 作品を確認(青空文庫)
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森林・ジャングル
車窓からの風景
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前後の文章を含んだ引用
......りなさ! こんな自由の豊富さ! この、力が漲って来る洋々とした心持。―― 沿線の風景は、伸子にとって、子供の時から知己であった。列車は那須野ヶ原にさしかかった。一面若葉をつけた矮樹林 の間を、汽車は走った。それらは、緑の波のように、列車の左右で泡立ち戦いだ。大気の澄んだ地平線の彼方には、日光の山々が、巓 の雪を燦かせて、聳え立っている。若し人があたりにいなければ、心をこめて両腕をこの山々に向って延したいほど感動を覚え......
単語の意味
若葉(わかば)
若葉・・・芽を出したばかりの葉。とくに、初夏の木々のみずみずしい葉。新葉(しんば)。
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ひしめき叢(むらが)る樹木つづきの緑の海
本庄 陸男 / 石狩川〈上〉 amazon
逆巻く濤 のように、梢 や枝葉を空に振り乱して荒れ狂っている原始林
岡本かの子 / 河明り
黒いこんもりとした雑木林
遠藤周作「沈黙(新潮文庫)」に収録 amazon
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車が、走り出す。街がすべり出す。
吉本 ばなな / 満月 キッチン2「キッチン (角川文庫)」に収録 amazon
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夕方の曇った灰色の空に富士山がはっきりと 露 われていた。それが、海を手前に、伊豆の山々の上に 聳え立った具合がいかにも構図的で、 北斎 のそう云う富士を 憶 い出さした。
直哉, 志賀「暗夜行路 (新潮文庫)」に収録 amazon
上越から甲州の、あまり高くない山々
池波 正太郎「むかしの味 (新潮文庫)」に収録 amazon
見晴らす広漠とした河原に石と砂との無限の展望。
岡本かの子 / 東海道五十三次
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(路面電車)電車の路面が、木琴の鉄板のように凸凹している。
林 芙美子 / 骨「林芙美子傑作集 (1951年) (新潮文庫〈第201〉)」に収録 amazon
老人は緩慢な動作で 櫓 を操り、舟を近づける。
宮本 輝 / 泥の河「螢川・泥の河(新潮文庫)」に収録 amazon
瞬間に消え去る、はかない美しい、光の線の戯れ
石坂 洋次郎 / 丘は花ざかり amazon
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