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この世の中にかつて存在しなかったような珍らしく美麗な金魚の新種
岡本かの子 / 金魚撩乱 ページ位置:56% 作品を確認(青空文庫)
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金魚
生物の進化・突然変異
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前後の文章を含んだ引用
......手紙の返事を出さず、金魚の研究も一時すっかり放擲 して、京洛を茫然 と遊び廻 った。だが一ヶ月ほどして帰って来た時にはすでに復一の心にある覚悟 が決っていた。それはまだこの世の中にかつて存在しなかったような珍らしく美麗な金魚の新種をつくり出すこと、それを生涯の事業としてかかる自分を人知れぬ悲壮 な幸福を持つ男とし、神秘な運命に掴まれた無名の英雄のように思い、命を賭 けてもやり切ろうという覚悟......
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(交尾期の金魚は)闘鶏 のように互いに瞬間を鋭 く啄 き合う。
岡本かの子 / 金魚撩乱
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生物の進化・突然変異の表現・描写・類語(遺伝子・細胞・進化のカテゴリ)の一覧 ランダム5
ベンガルトラと猫も、マウンテンゴリラと人間も、同じ幹から枝分かれした親戚同士だ。枝をたどってゆけば、何千年、何万年かかるかもしれないけれど必ずどこかで出会える。もっと先に進んでゆけば、懐かしい先祖にたどり着く。どんなに似ても似つかない見た目をしていようが、神様の隠したホックでパチンとつながり合える。生きものたちは皆大きな一つの森なのだ。《…略…》神様が描いた設計図に従い、生きものの樹は各々の芽を開き、枝葉を伸ばしてゆく。この世界と調和するため、工夫を凝らし、失敗を重ねながら、親類友人同士支え合ってささやかに前進してゆく。次々と生きものたちは誕生する。樹はどんどん立派になる。いくら複雑に見えても、どの枝先も幹とつながっている。
小川 洋子 / かわいそうなこと「口笛の上手な白雪姫」に収録 amazon
(ツチブタが管歯目ツチブタ科に属するたった一つの種で親戚のいない天涯孤独の動物であることについて)神様が描いた設計図に従い、生きものの樹は各々の芽を開き、枝葉を伸ばしてゆく。この世界と調和するため、工夫を凝らし、失敗を重ねながら、親類友人同士支え合ってささやかに前進してゆく。次々と生きものたちは誕生する。樹はどんどん立派になる。いくら複雑に見えても、どの枝先も幹とつながっている。 ところがある日、自分は特別な 寵愛 を受けていると思い込んでいる、美しい色の翼を持った生きものが、その姿を褒めてもらおうとして神様の肩に留まる。自慢屋のその子が気取って羽ばたいた時、今まさに開こうとしていた一つの小さな芽が、翼の巻き起こす風にあおられ、森から 弾き飛ばされて平原の真ん中にぽつんと落下する。一瞬と一瞬の間に挟まれた、あまりにも 密やかすぎる空洞で起こった出来事のために、目撃者は一人もいない。その芽が本来どの枝と手を結び合うはずだったのか、もはや神様にも分からない。それが、美しい色とも、空を舞う華々しさとも無縁の、ツチブタである。
小川 洋子 / かわいそうなこと「口笛の上手な白雪姫」に収録 amazon
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小蛙は二間も上の枝の上に、青い小さな一点となって、ちょうど草の葉っぱのようにくっついた。
坪田 譲治 / 風の中の子供 amazon
和金の清洒 な顔付きと背肉の盛り上りを持ち胸と腹は琉金の豊饒 の感じを保っている。
岡本かの子 / 金魚撩乱
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