銀座では堯は自分の痰を吐くのに困った。まるでものを言うたび口から蛙が跳び出すグリムお伽噺 の娘のように。
梶井基次郎 / 冬の日 ページ位置:55% 作品を確認(青空文庫)
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唾液・よだれ・つば
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前後の文章を含んだ引用
......のは何か。灰を落としたストーヴのように、そんなとき彼女の顔には一時鮮かな血がのぼった。 自身の疲労とともにだんだんいじらしさを増していくその娘の像を抱きながら、銀座では堯は自分の痰を吐くのに困った。まるでものを言うたび口から蛙が跳び出すグリムお伽噺 の娘のように。 彼はそんなとき一人の男が痰を吐いたのを見たことがある。ふいに貧しい下駄が出て来てそれをすりつぶした。が、それは足が穿 いている下駄ではなかった。路傍に茣蓙 を敷い......
単語の意味
蛙・蛤・蝦(かえる・かいる)
蛙・蛤・蝦・・・両生類の一種。よく跳ねて、よく泳ぐ。体は短くて、首はなく胴と頭が連続しており、尾はない。後ろ足は大きくて、指には水かきがある。皮膚は湿り、色は多彩、種によっては変色する。変態し、幼生はオタマジャクシ。人間生活に身近な存在で、雨や田の神とする地域もあるなど伝承や俗信が多い。「かいる」は「かえる」の訛り。
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唾液・よだれ・つばの表現・描写・類語(口・顎のカテゴリ)の一覧 ランダム5
独仙君の山羊髯 を伝わって垂涎 が一筋長々と流れて、蝸牛 の這った迹 のように歴然と光っている。
夏目漱石 / 吾輩は猫である
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唾液を口の中でぐるぐる回し白く濁らせ水飴のようにして舌に乗せ
村上 龍 / 限りなく透明に近いブルー amazon
泰子は姿見に向かって頰笑んだ……。 いや、その笑顔が洋介に見えたわけではない。彼の視野には女のうしろ姿しか見えなかったのだから。 しかし、その肩が笑っていた。
阿刀田 高 / 裏側「ナポレオン狂 (講談社文庫)」に収録 amazon
わたしの心をひんやり握り締めるような、あの印象的な微笑み
小川 洋子 / ドミトリイ「妊娠カレンダー (文春文庫)」に収録 amazon
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