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(女が)廊下へ出て行くと、パチンと頬を殴る音が続けざまに聞えていたが、やがてまた外は無気味な、汚水のような寞々 とした静かさになった。女の乱して行った部屋の空気が、仲々しずまらない。
林芙美子 / 新版 放浪記 ページ位置:3% 作品を確認(青空文庫)
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静けさ・静寂
最悪の事態・修羅場
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前後の文章を含んだ引用
......のあとから、大きい足音がすると、帽子もかぶらない薄汚れた男が、細めに障子をあけて声をかけた。 「オイ! お前、おきろ!」 やがて、女が一言二言何かつぶやきながら、廊下へ出て行くと、パチンと頬を殴る音が続けざまに聞えていたが、やがてまた外は無気味な、汚水のような寞々 とした静かさになった。女の乱して行った部屋の空気が、仲々しずまらない。 「今まで何をしていたのだ! 原籍は、どこへ行く、年は、両親は……」 薄汚れた男が、また私の部屋へ這入って来て、鉛筆を嘗 めながら、私の枕元に立っているのだ。 「お前......
単語の意味
頬(ほお・ほほ)
続けざま・続け様(つづけざま)
頬・・・顔の一部。顔の両脇で、口の真横にあるやわらかい部分。ほっぺ。ほっぺた。
続けざま・続け様・・・続けて同じことが繰り返されるさま。同じ動作がひき続いてやまないさま。連続するさま。
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肉を刻むような響きのない沈黙。
石坂 洋次郎 / 若い人 amazon
一時の騒ぎが大嵐の跡のように静まり
正宗 白鳥 / 何処へ「何処へ・入江のほとり (講談社文芸文庫)」に収録 amazon
墓場は完全な沈黙に被われた
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綿矢 りさ / 仲良くしようか「勝手にふるえてろ (文春文庫)」に収録 amazon
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貧血を起こしたぐらいの惨憺たる状況
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