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藁しべ一本ほどでも互に好意が残っている
宮本百合子 / 伸子 ページ位置:78% 作品を確認(青空文庫)
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前後の文章を含んだ引用
......があるのであった。  それだのになぜぐずぐずせずにはいられないのだろう? 愛の故か? ただ数年間夫婦として暮した習慣によってであろうか。また、人間は悲しい生物で、藁しべ一本ほどでも互に好意が残っているうちは、せめてはそれをかたみとして互にわけ、別々に生きるということのできない愚かなものなのだろうか。心理的に暴力が加わらなければ――例えば誰か一人の男が現れて、......
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爪のあかほどもなかった。
伊藤左千夫 / 野菊の墓
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