小屋は今は太い火束となって、盛んに燃えていた。火の中から、しゅるしゅると水の流れるような音が、聞えて来た。
昇平, 大岡「野火(のび) (新潮文庫)」に収録 ページ位置:20% 作品を確認(amazon)
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火事
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前後の文章を含んだ引用
......の丘を目指して進んでいた。その丘の禿げた頂上から、一条の細い煙が、朝の微風になぶられて、ためらうように揺れながら、次第にその勢を増しつつあった。 砲声は止んだ。小屋は今は太い火束となって、盛んに燃えていた。火の中から、しゅるしゅると水の流れるような音が、聞えて来た。風はなく、煙は真直に突立って、私の眼の高さの中空から、扇形に開いた。 私の今取るべき最も英雄的な行為が、再び谷へ下り、倒れた傷兵を助けることにあるのは明白であっ......
単語の意味
盛ん・壮ん(さかん)
盛ん・壮ん・・・1.元気で勢いがあるさま。
2.何かが積極的に行われるさま。何かが続けざまに行われるさま。
2.何かが積極的に行われるさま。何かが続けざまに行われるさま。
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火事の表現・描写・類語(事件・事故のカテゴリ)の一覧 ランダム5
焼け跡から吹きつけてくるザラザラした異様な風は、まるで不快な固物の撫で回すような感触を持っていた。
井上 友一郎 / ハイネの月「日本の文学 64 井上友一郎」に収録 amazon
闇の底を焦がして燃え盛る火の帯
真継 伸彦 / 鮫 amazon
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「事件・事故」カテゴリからランダム5
凄まじい唸りを立てて町全体が燃える
辻井 喬 / 暗夜遍歴 amazon
吉川英治 / 雲霧閻魔帳
「火・煙・灰」カテゴリからランダム5
一条の細い煙が、朝の微風になぶられて、ためらうように揺れる
大岡 昇平 / 野火 amazon
部落にかけられた火は一角だけではなく、周りの藁屋根に燃えうつり、赤黒い炎が靄のなかで、まるで生きもののように動いていました。それなのにひどく静かでした。まるで部落とそこに住む百姓たちが、黙々とこの苦しみを受けいれているかのようでした。
遠藤周作「沈黙(新潮文庫)」に収録 amazon
吹きすさぶ凩(こがらし)に明滅するごとく、漁り火が微かにまたたく
長与 善郎 / 青銅の基督 amazon
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