母の調子は慈愛深く、恨みながら許している暖かさがこもっていた。
宮本百合子 / 伸子 ページ位置:29% 作品を確認(青空文庫)
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優しい愛情を感じる(包まれる)
親としての愛情
許す
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前後の文章を含んだ引用
......けじゃあないか。それもああいう人のいい方のおっしゃることだから当にはならず、妙なことを聞くしさ。――どっちみち帰ったら判ると思って、本当に、私は待ちかねたよ」 母の調子は慈愛深く、恨みながら許している暖かさがこもっていた。伸子は、初めて自分が想像していたとは全く違う意味で待たれていたのを知った。何だか家の気分が、自分の心持としっくりしなかった理由が氷解した。それと同時に、いままで......
単語の意味
慈愛(じあい)
慈愛・・・親が子供に抱くような深い愛情。
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相手の言葉に優しさがあり、その優しさが司祭の胸に痛いほど 染みた。
遠藤周作「沈黙(新潮文庫)」に収録 amazon
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許すという苦行をなし遂げる
吉本 ばなな / 血と水「とかげ (新潮文庫)」に収録 amazon
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純粋な、その代わり冷えもせず熱しもしない愛情
有島武郎 / 或る女
(無欲)木つつきのように、何処へでも穴を開けて、そこへものを置きっぱなしで行く無慾な放浪の女心
林 芙美子 / 牛肉―林芙美子小説集 amazon
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それまでわたしの中に絶え間なく流れ、漣(さざなみ)のように押し寄せては引いていった何かが、その時、ふと透明な、うす青い氷のようになって、わたしの中で静まり返り、ぴたりと収まるべきところに収まったのを感じた。 その氷は冷たくはなかった。おかしな言い方かもしれないが、それは決して氷結しない、限りなく水や液体に近い氷だった。
小池真理子「愛するということ (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
まっ暗な行く手を明らかに示されたようにも思った。
有島武郎 / 或る女
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