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......け。義賊の雲霧は、そんなケチな男じゃねえ」 「――親分。疑って、すまなかった」 　ひたっと、体を、牢格子の錠（じょう）へ押しつけた蔵六の手は、わなわなと、腰の鍵を外していた。ガチッと、掌のなかで、錠の角（つの）が刎（は）ねた。 「何処だ、何処だ」 　雲霧は、外へ、這い出した。 「な、な、なにが？」 「慌（あわ）てちゃいけねえ。金を届けてやるにも、おめえの住居が分らなくっちゃあ」 「あ――神田、神田の、......

単語の意味

手の平・掌（てのひら）

手の平・掌・・・手首から先の、物を握ったときに内側になる面。掌（たなごころ）。