西洋酒の芳醇 な甘い酒の香が、まだ酔いからさめきらない事務長の身のまわりを毒々しい靄 となって取り巻いていた。
有島武郎 / 或る女(前編) ページ位置:54% 作品を確認(青空文庫)
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酒臭い
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前後の文章を含んだ引用
......。 鋭敏な馬の皮膚のようにだちだちと震える青年の肩におぶいかかりながら、葉子は黒い大きな事務長の後ろ姿を仇 かたきでもあるかのように鋭く見つめてそろそろと歩いた。西洋酒の芳醇 な甘い酒の香が、まだ酔いからさめきらない事務長の身のまわりを毒々しい靄 となって取り巻いていた。放縦という事務長の心 の臓は、今不用心に開かれている。あの無頓着 そうな肩のゆすりの陰にすさまじい desire の火が激しく燃えているはずである。葉子は禁断の木の......
単語の意味
芳醇・芳純(ほうじゅん)
香(こう)
芳醇・芳純・・・においが素晴らしくて、味もいいこと。香りが高くて、味にコクがあること。お酒の味や香りにいう場合が多い。「醇」は「熟成して味が濃いこと」をあらわす字。
香・・・かいでいい匂いがするもの。いい匂いがする物質(香料)を練り固めたもの。火をつけて煙を立ちのぼらせて、香りをたたせるもの。ねり香。お香。
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酒臭いの表現・描写・類語(体臭・体のにおいのカテゴリ)の一覧 ランダム5
微醺の風がふいていった
三島由紀夫 / 花ざかりの森 amazon
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ニはスープ系の体臭、飛行機で出される油の浮いたコンソメスープと同じにおいがする。つねにだしが効いている。前世がおでんの具だったのかもしれない。お腹が空いているときにはいいかもしれないけれど、少なくとも抱きしめられたいとは思えない。
綿矢 りさ / 勝手にふるえてろ amazon
参観日に匂ってくるような化粧臭さ
村田 沙耶香「しろいろの街の、その骨の体温の」に収録 amazon
はつか鼠くさい体臭がムンムンして厭 な気持ちだった。
林芙美子 / 新版 放浪記
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