月の光の下では何もかもが青ざめて見える。どんなものにも価値も意味も方向もないように思える。影さえもが不確かだ。
村上 春樹「1973年のピンボール (講談社文庫)」に収録 ページ位置：35% 作品を確認（amazon）
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月の光・月明かり
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......れだけひっくり返してみても、それはただの薄汚れた意味のないボードにすぎなかった。僕はあきらめてそれをもとの場所に戻して手についた埃を払い、煙草の煙を吸いこんだ。月の光の下では何もかもが青ざめて見える。どんなものにも価値も意味も方向もないように思える。影さえもが不確かだ。僕は煙草を流しにつっこみ、すぐに二本目に火を点ける。 何処まで行けば僕は僕自身の場所をみつけることができるのか？ 例えば何処だ？ 複座の雷撃機というのが僕が長い......
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