孤独・一人ぼっちの表現・描写・類語(寂しい・喪失感のカテゴリ)の一覧 ランダム5
(仲よしグループから当然の絶縁を宣告され、思い当たることがない心境)どう言えばいいんだろう、まるで航行している船のデッキから夜の海に、突然一人で放り出されたような気分だった《…略…》誰かに突き落とされたのか、それとも自分で勝手に落ちたのか、そのへんの事情はわからない。でもとにかく船は進み続け、僕は暗く冷たい水の中から、デッキの明かりがどんどん遠ざかっていくのを眺めている。船上の誰も船客も船員も、僕が海に落ちたことを知らない。まわりにはつかまるものもない。そのときの恐怖心を僕は今でも持ち続けている。自分の存在が出し抜けに否定され、身に覚えもないまま、一人で夜の海に放り出されることに対する怯えだよ。
村上 春樹 / 色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年 amazon
どこへ行っても淋しい一人身なり。小屋が閉まると、私は又溝鼠 のように部屋へ帰って来る。
林芙美子 / 新版 放浪記
一人でいると張合いがない
林芙美子 / 新版 放浪記
何ヵ月も何年も、僕はただ一人深いプールの底に座りつづけていた。温かい水と柔らかな光、そして沈黙。
村上 春樹「1973年のピンボール (講談社文庫)」に収録 amazon
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寂しい虚白なものが、娘の美しさを一時飲み隠した。それは、もはや二度と誰もこういう方面に触る話をしようとするものはなくなったほど、周囲の人間に肉感的なもの、情慾的なものの触手を収斂 さす作用を持っていた。
岡本かの子 / 河明り
(寂しさが)汐(しお)のようにひたひたと寄せてくる。
林 芙美子 / 茶色の目「林芙美子全集〈第15巻〉茶色の目 (1952年)」に収録 amazon
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