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K君は病と共に精神が鋭く尖 り、その夜は影がほんとうに「見えるもの」になったのだと思われます。
梶井基次郎 / Kの昇天――或はKの溺死 ページ位置:89% 作品を確認(青空文庫)
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患者・病人・けが人
感覚が鋭い・敏感
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前後の文章を含んだ引用
......うとすればK君のいわゆる一尺ないし二尺の影は北側といってもやや東に偏した方向に落ちるわけで、K君はその影を追いながら海岸線を斜に海へ歩み入ったことになります。 K君は病と共に精神が鋭く尖 り、その夜は影がほんとうに「見えるもの」になったのだと思われます。肩が現われ、頸 が顕われ、微かな眩暈 のごときものを覚えると共に、「気配」のなかからついに頭が見えはじめ、そしてある瞬間が過ぎて、K君の魂は月光の流れに逆らいながら......
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患者・病人・けが人の表現・描写・類語(人の印象のカテゴリ)の一覧 ランダム5
(衰弱した患者)ブルーのパジャマを着ていたので、首筋と手首の白さが余計に引き立って見えた。皮膚の細胞が一個一個透明になっていくような白さだった。このままどんどん身体が透明になって、空気の中に溶けていくようなきれいな死に方を、弟はするのだろうかと思うと、不安で悲しかった。
小川洋子 / 完璧な病室「完璧な病室 (中公文庫)」に収録 amazon
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感覚が鋭い・敏感の表現・描写・類語(ものの性質・特徴のカテゴリ)の一覧 ランダム5
感覚のどこかがけものみたいに冴えてくる
吉本 ばなな / ムーンライト・シャドウ「キッチン (角川文庫)」に収録 amazon
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「ものの性質・特徴」カテゴリからランダム5
偶然にも現れたビートたけしはホログラムのように揺蕩い身を焦がすほどの憧憬の果て夢の端に浮かび上がった幻影にも思えた。
水道橋博士「藝人春秋 (文春文庫)」に収録 amazon
「人の印象」カテゴリからランダム5
罪人のように深く頭を垂れながら
加能 作次郎 / 世の中へ amazon
どこか、影の薄いような、 哀しいような感じがした。
吉本 ばなな「アムリタ(下) (新潮文庫)」に収録 amazon
嘉十はぴたりとたちどまってしまいました。 それはたしかに鹿のけはいがしたのです。
宮沢賢治 / 鹿踊りのはじまり
そこのコーナーだけは、人の渦の目のように静かだった。
小川洋子 / 揚羽蝶が壊れる時「完璧な病室 (中公文庫)」に収録 amazon
「健康・体調・病気」カテゴリからランダム5
向 脛 にある一つの潰瘍は、 塩煎餅 の大きさに拡がり、真中に飯粒ほどに骨が見えていた。
大岡 昇平「野火(新潮文庫)」に収録 amazon
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