私は、じゃがいも、にんじん、玉ねぎの形がハッキリとカレーの中に浮いているのが好きだ。 　私の〔ライスカレー〕は、カレーのスープを御飯にかけたようなもので、あまり、どろどろしていない

カレーライスなくして日本の食卓はない

カレーと対照的で、福神漬けのカリカリシコシコした感触は妙味

黄色くてどろりとしたソースと、真っ白くて粘り気のあるご飯

（激辛三十倍カレー）辛さは、食べ進むにつれて倍加していくようだ。 　全員茹だったような顔になり、思考力は半減し、一種の酩酊状態に陥る。 「味はどうか」といわれても困る。味などまるでわからぬ。かすかな酸味と、凶暴な辛さと、嚙みしめると歯に残ってキシキシと感じる香辛料の残滓が印象に残っているだけだ。確かに人間の食べものではないのかもしれない。 　辛さを耐えしのぐには、氷の入った水がいちばん有効である。ビールは意外に頼りにならない。

しゃぶしゃぶをしたお湯を使って、雑炊を楽しむ。カニエキスがしっかり染み込んだ天然ダシがお米にすっかり染み込んで、ふわふわ卵と相まって何ともいえない締めのメニュー。おなかいっぱいなのに、不思議といくらでも入る。

一人用の小釜の中にはさまざまな具が上り、湯気とともに飯を食べる温度感は、冷えた弁当にない生命力があり、サラリーマンに午後の力を与える。

素朴だけど本当に豊穣そのものの味で心が膨らむひじきご飯

胚芽米は米本来の味がこもっているうえ、玄米ほど味は濃くないから、おかずの邪魔をしない

申しわけのように浅草紙のごとき海苔が貼りついた〔にぎりめし〕