(芸術的な陶器は)失火の時、本丸炎上の紅蓮 をあびて、遂に永遠の相 を失い、もとの土に返ってしまった。
吉川英治 / 増長天王 ページ位置:100% 作品を確認(青空文庫)
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火事
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前後の文章を含んだ引用
......のである。 ところが、増長天王を田沼山城の屋敷へ贈る手続きをしている間に、三月、江戸城朝会 の当日、山城守は悪政の酬 いをうけ、殿中で刺殺 されてしまった。 そのため、増長天王はしばらく江戸の上屋敷の秘庫 にあったが、後に将軍家斉 に懇望 されて、江戸城本丸に移された。しかし、それもやがてまた、幕府瓦解 の兆 をあらわした、安政六年の失火の時、本丸炎上の紅蓮 をあびて、遂に永遠の相 を失い、もとの土に返ってしまった。
単語の意味
土(つち)
永遠(えいえん・とわ)
土・・・岩石と有機物が混じって細かい粉末状になったもの。有機物は、生物の死骸およびその腐敗物、微生物などから構成されている。砂(有機物が含まれない)とは違い、植物が育ちやすい。
永遠・・・ある状態が果てしなく続くこと。物事が変化しないこと。無窮(むきゅう)。永久(えいきゅう)。
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窓から悪戯をしているように赤い舌が覗いたり隠れたりする
辻井 喬 / 暗夜遍歴 amazon
火事の炎が暗い夜空を一様の血の色に焦がし、煙と火の子が渦を巻きながら奔騰する
海音寺 潮五郎 / 武道伝来記 amazon
深い疲労が海のように全身をおしつつむ
光瀬 龍 / 百億の昼と千億の夜 amazon
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自分が北海道に出張している間に、見えない流れが渦巻いてこの主任の周囲に押し寄せたことを知った。むろん、主任は一個の粒である、捜査という有機体の中のである。
松本 清張「点と線 (新潮文庫)」に収録 amazon
(飛行機の墜落事故)山も深く傷ついていた。引き受けたのだ。他のどの山でもなく、世界最大の事故を、あの御巣鷹山が引き受けたのだ。
横山 秀夫「クライマーズ・ハイ (文春文庫)」に収録 amazon
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太い火柱の影が、月の空へ突きとおって見えた。
吉川英治 / 増長天王
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