すっかり葉を落とした櫟（くぬぎ）や樫... | 樹木・木々の表現・描写・類語｜小説の言葉集

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すっかり葉を落とした櫟（くぬぎ）や樫（かし）が、叩けばかあんと音を立てそうな固さで静かに立っている

黒井千次 / 春の道標　作品を確認（amazon）

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樹々の翠緑が私の眼に、さながら乾いた土に落された水のように音をたてて滲み通った。

高見順 / 流木「高見順全集〈第9巻〉 (1971年)」に収録　amazon関連カテ青葉・葉っぱ樹木・木々

木々の闇がいっそう荒々しく息づく

日野啓三 / 抱擁　amazon

地平線のあたりに、木立の群れが不規則な間隔を置いて紫色に近い影を落とす

堀辰雄 / 菜穂子―他五編　amazon

北の国ではどの樹も、細く薄くはかない葉を、抗議のように空へ向けて差しのべる

中島みゆき / 泣かないで・女歌(おんなうた)　amazon

木々が葉裏を微妙に輝かして揺れる

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（夕陽を浴びて）銀いろの穂（ほ）を出したすすきの野原

宮沢賢治 / 鹿踊りのはじまり関連カテ夕方薄(すすき)・萱(かや)

ひかり園を囲んでいる緑全部が荒々しくぶつかり合って、重たい音を響かせていた。ひかり園に吹き付ける風の音は、緑が多い分だけ余計に激しく聞こえた。風の幕がひかり園全体をすっぽり覆っていた。

小川洋子 / ダイヴィング・プール「完璧な病室 (中公文庫)」に収録　amazon関連カテ草木のざわめき強風・暴風

樹木によって蔽（おお）われ《…略…》新緑滴るごとく

火野葦平 / 麦と兵隊「土と兵隊・麦と兵隊 (新潮文庫)」に収録　amazon関連カテ青葉・葉っぱ樹木・木々

（鉢の菊は）暝目した美女のようなあでやかさをもって、黒光りする板の間に神々しく照り輝きながらじっと身を横たえている。

中山義秀 / 厚物咲 (1948年)　amazon関連カテ室内の雰囲気花

芒（すすき）が馬の鬣（たてがみ）のように丘の頂上まで匍（は）い上る

大岡昇平 / 野火　amazon

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