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今日まで為した無数の諸悪や業も、彼の弱味に、今こそつけ込んで、この土蔵の中の四角な闇に、げたげたと嘲笑 っているかとも感じられた。
吉川英治 / 雲霧閻魔帳 ページ位置:52% 作品を確認(青空文庫)
この表現が分類されたカテゴリ
絶望・希望がない
罪悪感・後ろめたい・良心の呵責
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前後の文章を含んだ引用
......く、雲霧は、よろよろと腰をついた。 茫然と―― 何もかも真っ暗だ。 ただ、幻みたいに、見えるのは、自分の為した罪の結果だけだった。――いやその一つのみではなく、今日まで為した無数の諸悪や業も、彼の弱味に、今こそつけ込んで、この土蔵の中の四角な闇に、げたげたと嘲笑 っているかとも感じられた。 遠く――回向院 の七刻 がうつつな耳に聞える。 「……あ。朝が来る」 雲霧は、よろりと、立った。 そして、力なく、土蔵の口へ歩きかけると、脆 い足の乱れが、何か柔らか......
単語の意味
嘲笑(ちょうしょう)
嘲笑・・・相手をあざけり笑うこと。馬鹿にして笑うこと。
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絶望・希望がないの表現・描写・類語(悲しみのカテゴリ)の一覧 ランダム5
(絶望して生きる)あの四人から存在を否定されたとき、多崎つくるという少年は事実上息を引き取ったのだ。その存在の外様だけはかろうじて維持されたものの、それも半年近くをかけて大きく作り替えられていった。体型も顔つきも一変し、世界を見る目も変わった。吹く風の感触や、流れる水音や、雲間から差す光の気配や、季節の花の色合いも、以前とは違ったものとして感じられる。あるいはまったく新規にこしらえられたもののように思える。ここにいるのは《…略…》中身を入れ替えられた、多崎つくると便宜的に呼ばれている容器(いれもの)に過ぎない。
村上 春樹 / 色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年 amazon
希望なき零落の海から希望なき安心の島にと漂着する
国木田 独歩 / 武蔵野 amazon
(死にたいと思いながら生きる)死の入り口に生きていた。底なしの暗い穴の縁にささやかな居場所をこしらえ、そこで一人きりの生活を送った。寝返りを打ったら、そのまま虚無の深淵に転落してしまいそうなぎりぎりの危うい場所だ。しかし彼はまったく恐怖を感じなかった。落ちるというのはなんと容易いことか、そう思っただけだ。
村上 春樹 / 色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年 amazon
最後の誇りも希望も毮 り落されてしまう
岡本かの子 / 渾沌未分
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罪悪感・後ろめたい・良心の呵責の表現・描写・類語(悔やむのカテゴリ)の一覧 ランダム5
申し訳なくて顔向けできない
沼田 まほかる「彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
重苦しいうしろめたさを感じた
阿刀田 高 / 蒼空「ナポレオン狂 (講談社文庫)」に収録 amazon
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「遅かったか」呻くように言い、こぶしでテーブルを叩く。
雫井 脩介「火の粉 (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
「悲しみ」カテゴリからランダム5
吉川英治 / 治郎吉格子
「気分が晴れない・落ち込む」カテゴリからランダム5
彼の結論の茫漠 として、彼の鼻孔から迸出 する朝日の煙のごとく、捕捉 しがたき
夏目漱石 / 吾輩は猫である
ふがふがと空気の抜けたゴム毬(まり)をつぶすみたいな声
大庭 みな子 / 三匹の蟹 amazon
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