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形がない生きものが押すように、障子はがたがたと鳴る。だが、その生きものは、硝子板に戸惑って別に入口を見付けるように、ひゅうひゅう唸 って、この建物の四方を馳 せ廻 る。
岡本かの子 / 河明り ページ位置:36% 作品を確認(青空文庫)
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障子(しょうじ)・襖(ふすま)
強風・暴風
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前後の文章を含んだ引用
......筏へ下りて、纜 を解き出した。 やや風が吹き出して、河の天地は晒 し木綿の滝津瀬のように、白瀾濁化 し、ときどき硝子障子 の一所へ向けて吹雪の塊りを投げつける。同時に、形がない生きものが押すように、障子はがたがたと鳴る。だが、その生きものは、硝子板に戸惑って別に入口を見付けるように、ひゅうひゅう唸 って、この建物の四方を馳 せ廻 る。 ふと今しがた小店員が云った気鬱症の娘が、何処に引籠 っているのだろうと私は考え始めた。暫 くして娘が気鬱症にかかるとあすこに……と云った小店員がその言葉と一緒に一 ......
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障子(しょうじ)・襖(ふすま)の表現・描写・類語(室内のようすのカテゴリ)の一覧 ランダム5
手垢 にまみれた 襖
浅田次郎 / 角筈にて「鉄道員(ぽっぽや) (集英社文庫)」に収録 amazon
見ると模様を置いた紙がところどころ破れて妙な腸 があからさまに見える。
夏目漱石 / 吾輩は猫である
真黄いろに煤 けた障子
林芙美子 / 新版 放浪記
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強風・暴風の表現・描写・類語(風のカテゴリ)の一覧 ランダム5
粉雪を吹きつける風が、膚を截(き)るよう
山本 周五郎 / 髪かざり amazon
木々の枝が大きく揺れ、道行く人々の服がやたらとはためいているせいでいつもより景色がダイナミックに見えるような感じがする強い風の日
吉本 ばなな「アムリタ(下) (新潮文庫)」に収録 amazon
看板はがたがた音を立てて揺れ、若葉に 彩られた枝も音を立ててずらりとなびいていた。歩道をゆく人々はみな、ごうごう吹き荒れる風に顔をしかめたり、髪を押さえたりしていて、やたら落ち着かなかった。青い空だけがじっと動かずにそういう世間を見ていた。体重が軽い私も、風に押されて飛んでゆきそうなので、必死だった。
吉本ばなな / うたかた「うたかた/サンクチュアリ」に収録 amazon
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「風」カテゴリからランダム5
池の上をさらさらと風が渡って
夏目漱石 / 吾輩は猫である
なびいたように草木がお辞儀をする
芝木 好子 / 女ひとり amazon
風が強くて、会話をぼろぼろになった旗のように吹きちぎる
曽野 綾子 / 夫婦の情景 amazon
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段を踏みしめる度に、階段の上の橙色の電球は、線香花火の火のように細かく震える。
綿矢 りさ / 蹴りたい背中 amazon
しばらくすると窓がするすると開いた。人の口のようにかっきりと穴があいた。
平出 修 / 逆徒 amazon
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