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両手に溜めた水道水を飲む。それは不快にぬるくて、プールの水みたいに薬くさい。
新海 誠「小説 君の名は。 (角川文庫)」に収録 ページ位置:16% 作品を確認(amazon)
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蛇口・水道(水)
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前後の文章を含んだ引用
......にはなぜか大きな絆創膏が貼ってあって、恐るおそる触ってみると、鈍い痛みが走る。 ──でも。痛いのに、目が覚めない。喉がからからに渇いている。私は蛇口をひねって、両手に溜めた水道水を飲む。それは不快にぬるくて、プールの水みたいに薬くさい。「タキ、起きたかー?」 突然遠くから男性の声がして、きゃっ、と私は小さく悲鳴を上げてしまう。タキ?「……お前、今日メシ当番だっただろ? 寝坊しやがって」 リビン......
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蛇口・水道(水)の表現・描写・類語(外の設備・工作物のカテゴリ)の一覧 ランダム5
蛇口は人差し指くらいの細さしかない。その先端はなにかを排泄しようとしてそのまま止まってしまったかのようにふたつ段々がついている。その先から透明なものが、緩やかに、緩やかに現れる。まわりの景色がその表面に映っている。洗面台が、白い壁が、麻理子の顔が、その中に閉じ込められている。それは見つめているとどんどん膨らんでゆく。そして品がないくらいまで大きくなると、一瞬涙の形を浮かべ、そしてぴたんと落ちる。
また一滴垂れる。その瞬間には次の粒が蛇口から顔を出し始める。まったく同じことを繰り返してゆく。徐々に大きくなってゆき、その表面を震わせ、線香花火の玉のようにぴたん落ちる。次が蛇口から現れる。わずかに付着していただけのちっぽけな水は、やがて仲間を吸収し、ぷくりと垂れ下がり、蛇口の先端から離れて離れてとうとう千切れる。
瀬名 秀明 / パラサイト・イヴ amazon
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(バリケードは)不機嫌に世界を拒絶する壁のように見える。
中村文則 / 教団X amazon
したたり集って来る苔の水が水晶のように美しい筧 の水溜り
梶井基次郎 / 温泉
ブーロウニュの森の一処 をそっくり運んで来たようなショーウインドウ
岡本かの子 / 巴里の秋
長距離砲のような格好をしたずんぐりと巨大な煙突
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 2 amazon
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