思い存分髪を洗った。足 しない船の中の淡水では洗っても洗ってもねちねちと垢 の取り切れなかったものが、さわれば手が切れるほどさばさばと油が抜けて、葉子は頭の中まで軽くなるように思った。
有島武郎 / 或る女(後編) ページ位置:6% 作品を確認(青空文庫)
この表現が分類されたカテゴリ
髪を洗う
しおりに登録する
前後の文章を含んだ引用
......は屈強な避難所に来たものだと思った。この界隈 では葉子は眦 を反 して人から見られる事はあるまい。 珍しくあっさりした、魚の鮮 しい夕食を済ますと葉子は風呂 をつかって、思い存分髪を洗った。足 しない船の中の淡水では洗っても洗ってもねちねちと垢 の取り切れなかったものが、さわれば手が切れるほどさばさばと油が抜けて、葉子は頭の中まで軽くなるように思った。そこに女将 も食事を終えて話相手になりに来た。 「たいへんお遅 うございますこと、今夜のうちにお帰りになるでしょうか」 そう女将 は葉子の思っている事を魁 けにいった。「......
単語の意味
サバサバ(さばさば)
垢(あか)
淡水(たんすい)
サバサバ・・・気分がスッキリして爽やかに感じるさま。こだわりが少なくあっさりしているさま。
垢・・・皮膚の上の、汗やほこり、脂が交じってできる汚れ。
淡水・・・塩分を含まない水。川や湖などの天然の水のうち、塩分をまったく、もしくはほとんど含まないもの。「淡」は訓読みで「あわ(い)」「うす(い)」と読め、この場合「塩気のない」ことを意味する。 ⇔ 鹹水(かんすい)。
ここに意味を表示
髪を洗うの表現・描写・類語(髪のカテゴリ)の一覧 ランダム5
思い存分髪を洗った。足 しない船の中の淡水では洗っても洗ってもねちねちと垢 の取り切れなかったものが、さわれば手が切れるほどさばさばと油が抜けて、葉子は頭の中まで軽くなるように思った。
有島武郎 / 或る女
髪の毛だけ外のシャワーで流してごしごしふいて、洗いたての犬のようにしばらく陽に干して
よしもとばなな / 銀の月の下で「まぼろしハワイ」に収録 amazon
このカテゴリを全部見る
「髪」カテゴリからランダム5
醤油を瓶ごと頭にこぼしてしまったかのような重く黒く長すぎる前髪
綿矢 りさ / 蹴りたい背中 amazon
絹糸のような髪の毛をもてあそぶ
有島武郎 / 或る女
同じカテゴリの表現一覧
髪 の表現の一覧
人物表現 大カテゴリ