耳たぶがつぶれてみたいな耳

耳たぶは高貴なる花びら

耳は美しい貝殻のようにくっきりと輪郭を持っている

耳の凹凸もはっきり影を作るほど月は明るい

小さなかたつむりのような女の子の耳

陰毛は行進する歩兵部隊に踏みつけられた草むらみたいな生え方をしている。

潤んで充血した肉片に囲まれているであろうその部分

奇妙な生え方をした陰毛

下腹部には細い陰毛が洪水の後の小川の水草のように気持よくはえ揃っている

（あたたかく湿ったヴァギナ）まるであたためたバター・クリームみたいにね。すごくあたたかいの。

太一郎は耳をもてあそんだ。「ふしぎな花のようだな」

できたばかりの（ような少女の）耳と、できたばかりの女性性器はとてもよく似ている

小さなかたつむりのような女の子の耳

耳たぶは赤ガエルのように透き通っている

それが医者が僕に告げた診断だった。余命は長くて半年、ともすれば一週間すら怪しいという。放射線治療、抗ガン剤治療、終末期医療、さまざまな選択肢を医者が提示する。けれども、まったく耳に入らない。 　小さい頃、夏休みはプールに通っていた。青く冷たいプールに飛び込む。ざばん。ぶくぶく。体が沈む。 「ちゃんと準備運動しなさい」 　母さんの声がする。だが水の中でその声は、くぐもってよく聞こえない。すっかり忘れていた「音の記憶」がよみがえってくる。

でん部豊かなひょうたん型の裸身

陰嚢は、小さな片びっこのタマのまわりでいつもヒヨコのように縮こまっている。

股間にぶら下げている男の勲章

足の間に生息する肉片

潤んで充血した肉片に囲まれているであろうその部分