店の灯も、町の人通りも香水 の湯気を通して見るように媚 めかしく朦朧 となって、いよいよ自意識を頼 りなくして行った。
岡本かの子 / 金魚撩乱 ページ位置:22% 作品を確認(青空文庫)
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上の空・心ここにあらず
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前後の文章を含んだ引用
......の内部から融 かすものがあって、おやと思ったときはいつか復一は自分から皮膚感覚の囲みを解いていて、真佐子の雰囲気 の圏内 へ漂 い寄るのを楽しむようになっていた。すると店の灯も、町の人通りも香水 の湯気を通して見るように媚 めかしく朦朧 となって、いよいよ自意識を頼 りなくして行った。 だが、復一にはまだ何か焦々 と抵抗 するものが心底に残っていて、それが彼を二三歩真佐子から自分を歩き遅らせた。復一は真佐子と自分を出来るだけ客観的に眺める積りでい......
単語の意味
朦朧(もうろう)
香水(こうすい)
朦朧・・・意識や視界、意味などがハッキリしないさま。ボーっとしていて、クリアでないさま。おぼろげなさま。ぼんやり。
香水・・・いい香りのする水。
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島田 雅彦 / 未確認尾行物体 amazon
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小池真理子「愛するということ (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
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