(自閉症の)タダシとの会話はキャッチボールと言うよりは、ノック練習に近かった。お互いの言葉を投げて、受け取る。こちらから投げた話題に対して返球はないが、それでも相手がキャッチした感触はある。
伊坂 幸太郎「陽気なギャングが地球を回す (祥伝社文庫)」に収録 ページ位置:38% 作品を確認(amazon)
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雑談・世間話・とりとめのない会話
自閉症
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......てこないことを確認しながら、受話ボタンを押した。「タダシか」成瀬はそう言った。電話番号は別れた妻の家のものだった。「お父さん」タダシの声ははっきりとしている。 タダシとの会話はキャッチボールと言うよりは、ノック練習に近かった。お互いの言葉を投げて、受け取る。こちらから投げた話題に対して返球はないが、それでも相手がキャッチした感触はある。そういう会話をいくつか交わす。 タダシが喋るようになったのは本当に遅かった。言葉の意味や、単語と単語の関係性を理解することが苦手だからか、はじめのうちは名詞を口......
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雑談・世間話・とりとめのない会話の表現・描写・類語(声・口調のカテゴリ)の一覧 ランダム5
(世間は狭い)僕と彼女はそれから冷えたシャンパンを飲みながら世間話をしたが、話をしているうちに二人のあいだには何人かの共通の知人がいることが明らかになった。我々の属している業界はそれほど広いものではないから、いくつか石を投げればひとつかふたつは〈共通の知人〉に当ることになる。それに加えて、僕の妹がたまたま彼女と同じ大学の出身だった。我々はそのようないくつかの名前を手がかりにして比較的滑らかに話題を広げていくことができた。
村上春樹 / 象の消滅「パン屋再襲撃 (文春文庫)」に収録 amazon
冗談とも本気ともつかず気楽に取り交わされた大人たちの会話
石坂 洋次郎 / 丘は花ざかり amazon
その話はなんとなく共通の友人の結婚の噂話になり、その夫の株の失敗の話になり、カメラの性能の話になり、マンションのうまい購入方法の話になり、最後は虫歯の最新治療の話に落ち着いて
川上 未映子 / あなたたちの恋愛は瀕死「乳と卵(らん) (文春文庫)」に収録 amazon
この会話の辿り着く先を探っていた。
平野 啓一郎「マチネの終わりに (文春文庫)」に収録 amazon
兄貴は、何か話したいことがあると、まず、ほんとうに話したい事柄のまわりを埋め始める。
朝井 リョウ / 破りたかったもののすべて「もういちど生まれる (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
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ほとんど聞いたことがないくらい不機嫌な声をしていた。
雫井 脩介「火の粉 (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
石のような不動の沈黙
有島武郎 / 生まれいずる悩み
「健康・体調・病気」カテゴリからランダム5
自分が自分の体をコントロールすることができないという恐怖に取りつかれていた
吉本 ばなな「N・P (角川文庫)」に収録 amazon
氷のような寒気が背から胸へつらぬいていく
光瀬 龍 / 百億の昼と千億の夜 amazon
(医者は)小さな血の塊りをミツの子宮からとり出した
遠藤 周作「海と毒薬 (角川文庫)」に収録 amazon
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