TOP > 風景表現 > 外の設備・工作物 > 夜景・夜の眺め
眼下に広がる街の夜景を見下ろしていた。街はまるで平板な鋳型に流し込まれたどろどろした光のように見える。あるいは巨大な蛾が金粉を撒きちらした後のようにも見える。
村上 春樹 / 1973年のピンボール ページ位置:43% 作品を確認(amazon)
この表現が分類されたカテゴリ
夜景・夜の眺め
見下ろした風景
しおりに登録する
前後の文章を含んだ引用
......んまいのように曲った背の高い水銀灯が何本も立ち並び、不自然なほど白い光を隅々にまで投げかけていた。 鼠は霊園の南東の隅にある林の中に車を停め、女の肩を抱きながら眼下に広がる街の夜景を見下ろしていた。街はまるで平板な鋳型に流し込まれたどろどろした光のように見える。あるいは巨大な蛾が金粉を撒きちらした後のようにも見える。 女は眠るように目を閉じ鼠にもたれかかっていた。鼠は肩から脇腹にかけて、彼女の体の重みをずっしりと感じる。それは不思議な重みだった。男を愛し、子供を産み、年老い......
単語の意味
眼下(がんか)
夜景(やけい)
蛾(が・ひひる・ひむし)
眼下・・・見下ろした辺り一面。
夜景・・・夜の景色。
蛾・・・鱗翅目(りんしもく[=ガやチョウなど])の昆虫のうち、蝶以外のものを総称。止まった時の羽が水平になる、口先がらせん状になっていないなどで蝶と区別する。ただし、生物学的には明確な違いはない。主に夜活動する。きわめて種類が多く、日本だけで5000種ほどいる。「ひひる」「ひむし」はガの古称。特に、蚕(かいこ)のものをいう。
ここに意味を表示
夜景・夜の眺めの表現・描写・類語(外の設備・工作物のカテゴリ)の一覧 ランダム5
高台に立つ宝生邸からは蝋燭を並べたような国立の夜景が一望できる。
東川 篤哉 / 謎解きはディナーのあとで amazon
このカテゴリを全部見る
見下ろした風景の表現・描写・類語(地上・陸地のカテゴリ)の一覧 ランダム5
ここはもはや下界ではない
横山 秀夫「クライマーズ・ハイ (文春文庫)」に収録 amazon
二十五階からは、すべての建物を眼下に置くほどでもなく、夜の繁華街が美しいはずもない。交差点を通過する車のヘッドライトや、ビルの電飾が光っているだけだった。隣接する建物のせいで、空は狭い天井にしか見えない。
伊坂 幸太郎 / グラスホッパー 角川文庫 amazon
二十五階の部屋だった。今までのどの眺めともちがい、見下ろすと野球のグラウンドが見え、高架の道路が走り、それらの空間の向うに高層ビルのいくつかが聳えていた。
山田太一「飛ぶ夢をしばらく見ない」に収録 amazon
普 段 下からばかり見上げていた柿の木が、今は足の下にある。
志賀直哉「暗夜行路 (講談社文庫)」に収録 amazon
このカテゴリを全部見る
「地上・陸地」カテゴリからランダム5
雨に曝(さら)されたボール箱のように、ボソボソした長屋の群
徳永 直 / 太陽のない街 amazon
草原が砂丘のように、ゆるやかに起伏した
大岡 昇平「野火(新潮文庫)」に収録 amazon
「外の設備・工作物」カテゴリからランダム5
亜鉛 板 の変に反りかえった屋根から、細いのと太いのと二本の煙突が出ていて、細い方はスポッスポッと勢いよく蒸気を吐く度震えていた。そして太い方は赤さびて、その頭から元気のない烟を僅かにたてている。
直哉, 志賀「暗夜行路 (新潮文庫)」に収録 amazon
(ホテルのエレベーター)ベルボーイに案内されて一緒にエレヴェーターに乗り、二十二階の部屋へと向かいながら、洋子は先ほど頭上にあったシャンデリア越しにロビーを見下ろした。地上から遠ざかってゆく。ガラス張りのエレヴェーターは、やがて暗転し、雨の降りしきる夜景に包まれた。
平野 啓一郎「マチネの終わりに (文春文庫)」に収録 amazon
同じカテゴリの表現一覧
地上・陸地 の表現の一覧
外の設備・工作物 の表現の一覧
風景表現 大カテゴリ