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顔の痙攣 が激 しくなって月の出のように真珠色 の涙が下瞼 から湧いた。
岡本かの子 / 金魚撩乱 ページ位置:6% 作品を確認(青空文庫)
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泣く・涙を流す
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前後の文章を含んだ引用
......きい眼に当惑 以外の敵意も反抗 も、少しも見えなかった。涙 の出るまで真佐子は刺 し込 まれる言葉の棘尖 の苦痛を魂 に浸 み込 ましているという瞳 の据 え方だった。やがて真佐子の顔の痙攣 が激 しくなって月の出のように真珠色 の涙が下瞼 から湧いた。真佐子は袂 を顔へ当てて、くるりとうしろを向く。歳 にしては大柄 な背中が声もなく波打った。復一は身体中に熱く籠 っている少年期の性の不如意 が一度に吸い散らされた感じが......
単語の意味
真珠色(しんじゅいろ)
月の出(つきので)
真珠色・・・真珠のような白色。艶のあるきれいな灰白色。パールホワイト。
月の出・・・月が東の地平線から昇ること。また、その時刻。⇔月の入り。
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涙が目じりからあふれて両方のこめかみの所をくすぐるようにするすると流れ下った。
有島武郎 / 或る女
体を震わせて泣きつづけ
川上 未映子「乳と卵(らん) (文春文庫)」に収録 amazon
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「動作・仕草・クセ」カテゴリからランダム5
思わず哄然 と笑い出した。
夏目漱石 / 吾輩は猫である
偏執狂のように読み返えし読み返すのをやめなかった。
岡本かの子 / 巴里祭
彼らはわずかに残った光の中を歩いていった。遠くの一点に引き寄せられ見えなくなるまで、わたしとジュジュは二人を見送った。
小川 洋子 / 夕暮れの給食室と雨のプール「妊娠カレンダー (文春文庫)」に収録 amazon
「泣く」カテゴリからランダム5
ハンカチで顔を 覆っては泣き、両手で肩を抱いては前にかがんで泣いた。顔も結構よく見えた。彼女は顔を上げる度に、闇に立つ聖母のような清らかな表情をしていた。三日月の形にひそめた 眉 の下のその瞳には、ときおり理性の光がよぎった。その取り乱しようにもかかわらず、自分の悲しみの種類をきちんと知っているように見えていっそう痛ましさが増した。
吉本ばなな / サンクチュアリ「うたかた/サンクチュアリ」に収録 amazon
ときどき眼を瞑 って頭を軽く振っているのは、出そうになる涙を強情に振り戻しているのではあるまいか
岡本かの子 / 母子叙情
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