どさくさにまぎれて女子がイチの髪をさわる。私の指先はまるで自分がさわったかのように繊細な毛流れを感じて、しびれて熱くなる。
綿矢 りさ / 勝手にふるえてろ ページ位置:6% 作品を確認(amazon)
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前後の文章を含んだ引用
......チが登校してくると活発なグループの女子たちが彼をふりむかせてくすくす笑う。「イチ寝ぐせついてるし」「ついてないだろ」「ついてるよ、後ろ髪うねってる、カワイー」 どさくさにまぎれて女子がイチの髪をさわる。私の指先はまるで自分がさわったかのように繊細な毛流れを感じて、しびれて熱くなる。「おっ、イチ。来るのおせーよ」 クラスの男子はイチが机に鞄を置くひまもなく速攻でイチに近寄り、肩に腕を回して自分の仲間の輪へ強引に引き寄せる。 さらさらの長い重......
単語の意味
指先(ゆびさき)
指先・・・手や足の、指の先端。指の先っぽ。指頭(しとう)。指端(したん)。
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恋愛・恋する・恋心の表現・描写・類語(恋愛のカテゴリ)の一覧 ランダム5
一寸民子の姿が目に触れれば気が落着くのであった。
伊藤左千夫 / 野菊の墓
洋子は、精神的にも肉体的にも、今は彼の望むことの一切を受け容れたいという衝動に駆られた。彼の中に満たされないものが何も残らないほどに。──それは、洋子が初めて知る、ほとんど隷属に近いような欲望だった。
不安な恋情を複雑に搔き立てた。
平野 啓一郎「マチネの終わりに (文春文庫)」に収録 amazon
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その時の性愛は、十代の男女のように烈しく、純粋に烈しい分だけ、ある意味では健康的だった。余計なことを考えずに、ひたすらぶつかり合うような交わり方だった。
小池真理子「愛するということ (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
私たちは、ゆっくりと、お互いの体温の中に落ちていった。《…略…》私たちの欲望が、音楽になって互いの身体に流れ込む。 伊吹に発情を奏でる私《…略…》身体の中にあった、言語化できなかった感情たちが、液体になって、伊吹にしみこんでいった。
村田 沙耶香「しろいろの街の、その骨の体温の」に収録 amazon
どんなに高級なキャビアやワインもサユリとともに味わうのでなければ彼にとってはジャンクフードと一緒だった。
山田詠美「新装版 ハーレムワールド (講談社文庫)」に収録 amazon
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