山に堰 きとめられていた日光が閃々 と私の窓を射 はじめる。
梶井基次郎 / 冬の蠅 ページ位置:3% 作品を確認(青空文庫)
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山
日差し・太陽光
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前後の文章を含んだ引用
......説を書こうとしている。 冬が来て私は日光浴をやりはじめた。溪間 の温泉宿なので日が翳 り易い。溪の風景は朝遅くまでは日影のなかに澄んでいる。やっと十時頃溪向こうの山に堰 きとめられていた日光が閃々 と私の窓を射 はじめる。窓を開けて仰ぐと、溪の空は虻 や蜂 の光点が忙しく飛び交っている。白く輝いた蜘蛛の糸が弓形に膨らんで幾条も幾条も流れてゆく。(その糸の上には、なんという小さな天女!......
単語の意味
閃々(せんせん)
塞く・堰く(せく)
日光(にっこう)
閃々・・・光り輝くさま。キラキラ。
同じ漢字を重ねることで、語調を整えて意味を強めた表現。「閃く」は「一瞬、鋭く光る」という意味。
同じ漢字を重ねることで、語調を整えて意味を強めた表現。「閃く」は「一瞬、鋭く光る」という意味。
塞く・堰く・・・さえぎって止める。せき止める。
日光・・・日の光。大陽光線。
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