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(外の)冷たい空気は、室内にのみ閉じこもっていた葉子の肺を押し広げて、頬 には血液がちくちくと軽く針をさすように皮膚に近く突き進んで来るのが感ぜられた。
有島武郎 / 或る女(前編) ページ位置:48% 作品を確認(青空文庫)
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寒い・冷気・凍える
冷たい風・冬の季節風
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前後の文章を含んだ引用
......るまって、堅いティークの床 をかつかつと踏みならしながら、押し黙って勢いよく右往左往に散歩していた。田川夫人の姿はそのへんにはまだ見いだされなかった。塩気を含んだ冷たい空気は、室内にのみ閉じこもっていた葉子の肺を押し広げて、頬 には血液がちくちくと軽く針をさすように皮膚に近く突き進んで来るのが感ぜられた。葉子は散歩客には構わずに甲板を横ぎって船べりの手欄 によりかかりながら、波また波と果てしもなく連なる水の堆積 をはるばるとながめやった。折り重なった鈍色 の雲のかなた......
単語の意味
頬(ほお・ほほ)
頬・・・顔の一部。顔の両脇で、口の真横にあるやわらかい部分。ほっぺ。ほっぺた。
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しまいに魂までが裸にされるような寒さを今は自分のすべての感覚にさえかんじていた。
室生 犀星 / 幼年時代 amazon
ときどき寒そうに手をこすり合わせた。
野間 宏「真空地帯(新潮文庫)」に収録 amazon
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長い注射針のように遠慮なく突き通ってくる寒風
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身が危険にさらされているような寒さ
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恋女房の肌みてえに、暖かい
吉川英治 / 増長天王
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一本道にかかると、荒い幅広い風が幾里も先の山脈からその一筋道に吹き下した。
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裸木の枝に裂かれる風の音だけが耳につく。
沼田 まほかる「彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
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