ゴシゴシゴシと表皮のむけるほど、頭中引き掻 き廻す。一ヵ月も溜っているフケは遠慮なく、頸筋 やら、寝巻の襟 へ飛んでくる。非常な壮観である。
夏目漱石 / 吾輩は猫である ページ位置:77% 作品を確認(青空文庫)
この表現が分類されたカテゴリ
フケ
しおりに登録する
前後の文章を含んだ引用
......主人は、朝っぱらからよほど癇癪 が起ったと見えて、たちまちがばと布団 の上に起き直った。こうなると精神修養も八木独仙も何もあったものじゃない。起き直りながら両方の手でゴシゴシゴシと表皮のむけるほど、頭中引き掻 き廻す。一ヵ月も溜っているフケは遠慮なく、頸筋 やら、寝巻の襟 へ飛んでくる。非常な壮観である。髯 はどうだと見るとこれはまた驚ろくべく、ぴん然とおっ立っている。持主が怒 っているのに髯だけ落ちついていてはすまないとでも心得たものか、一本一本に癇癪 を起して、勝......
単語の意味
壮観(そうかん)
襟・衿・領(えり)
首筋・頸筋(くびすじ)
壮観・・・規模が大きく素晴らしい眺め。また、そのさま。偉観(いかん)。
襟・衿・領・・・1.衣服の、首を取り囲む所につけられている部分。また、そこにつける縁どりの布。カラー(collar)。和服では、前で交わる細長い部分やそこにつける布を指す。
2.首の後ろの部分。首筋。うなじ。
3.掛け布団の、首に直接あたる部分にかける細い布。
2.首の後ろの部分。首筋。うなじ。
3.掛け布団の、首に直接あたる部分にかける細い布。
首筋・頸筋・・・首の両側から後部にわたる部分。首の後ろ側の部分。項(うなじ)。襟首(えりくび)。首根っ子・頸根っ子(くびねっこ)。
ここに意味を表示
フケの表現・描写・類語(髪のカテゴリ)の一覧 ランダム5
このカテゴリを全部見る
「髪」カテゴリからランダム5
太陽の熱に脹 れ上る金髪。
岡本かの子 / 巴里祭
誰も近寄らせない黒いまっすぐな髪の毛
朝井 リョウ / ひーちゃんは線香花火「もういちど生まれる (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
黒い、大きな花弁 の形に結 い上げられた夥しい髪毛 が、雲のように濛々 と重なり合っている
夢野久作 / ドグラ・マグラ
同じカテゴリの表現一覧
髪 の表現の一覧
人物表現 大カテゴリ