絃の体温に触れると心が落ちるところまでちゃんと落ちて窪みにはまって、ぐったりするほど安心する。危険なほどに。
綿矢 りさ「しょうがの味は熱い (文春文庫)」に収録 ページ位置:40% 作品を確認(amazon)
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安心する
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......きた。 こんなにそばにいるのに存在を確かめたくて、やめておけ、うっとうしいぞと自分に言い聞かせるけれど結局負けて、手で絃の頭をなで、短い髪の繁みに指をうずめる。絃の体温に触れると心が落ちるところまでちゃんと落ちて窪みにはまって、ぐったりするほど安心する。危険なほどに。 ねえ絃。なにを考えているの? なにを、考えているの。 彼女の手が頭からえり足にかけてなでる。道でしゃがんで寝ている知らない猫をなでる子どもの手のように、こち......
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心の底にたまっていた残滓(かす)のような不安が一ペんに洗い去られたような気がしたのである。
尾崎 士郎 / 人生劇場 青春篇 amazon
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「安心」の言葉を含む心の落ち着きを表すの表現・描写・類語(安心するのカテゴリ)の一覧 ランダム5
安心と共に、満面の汗が次第に、鼻の先から、乾いてゆくのを感じた。
芥川龍之介 / 芋粥
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病室にいると、産湯につかった赤ん坊のように、安心できた。
小川洋子 / 完璧な病室「完璧な病室 (中公文庫)」に収録 amazon
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バスの運転手の言葉が、背中を押してくれているのは間違いないが、それ以上に何か吹っ切れていた。ここ数週間ずっと支配されていた怯えるという感覚だけが、からだからすとんと抜け落ちたような感じだった。
吉田修一「悪人」に収録 amazon
あなたのお声がした時にはほんとうに敵の中から救い出されたように思ったんです
有島武郎 / 或る女
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