声をひそめているのに、地声が高く可愛らしいせいで周りにもれ響く。しゃらしゃらと薄い氷が空気の薄い膜の上を滑っていく囁き声は、子どものように幼かった。
綿矢 りさ / 亜美ちゃんは美人「かわいそうだね? (文春文庫)」に収録 ページ位置:3% 作品を確認(amazon)
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高い声・甲高い声・奇声
囁く・ささやき
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前後の文章を含んだ引用
......きりとしている。唯一手足だけが胴体より先に成長し、長く伸びて、か細く所在なさげにぶらつき、少年のようだった。「十一時まで」「よく知ってるね。どこで聞いたの?」 声をひそめているのに、地声が高く可愛らしいせいで周りにもれ響く。しゃらしゃらと薄い氷が空気の薄い膜の上を滑っていく囁き声は、子どものように幼かった。それでいて頭の位置は、さかきちゃんと比べてずいぶん高いところにある。「しおり……」「ああ、これかぁ」 彼女は照れ笑いをして自分の手に持っていた入学式のしおりに目......
単語の意味
地声(じごえ)
地声・・・生まれつき持っている声。常日ごろ話している声。⇔裏声。
「地」は、「物事の基礎」「生まれつきの才能や性質」を意味する。この字を使うほかの単語として「地声」「地顔」「地肩」「地髪」などがある。
「地」は、「物事の基礎」「生まれつきの才能や性質」を意味する。この字を使うほかの単語として「地声」「地顔」「地肩」「地髪」などがある。
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高い声・甲高い声・奇声の表現・描写・類語(声・口調のカテゴリ)の一覧 ランダム5
「ちゃん付けすんなよー」としかめっ面をしていたけれど、高い声で言われても全然迫力がなかった。
村田 沙耶香「しろいろの街の、その骨の体温の」に収録 amazon
(高い声の男)弔辞 を読む時もこの高い声なのだと考えると 可哀想 だと思った。
又吉直樹「劇場(新潮文庫)」に収録 amazon
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囁く・ささやきの表現・描写・類語(声・口調のカテゴリ)の一覧 ランダム5
(ささやきに)クラリオネットが鳴るような生き甲斐を感じた
石坂 洋次郎 / 若い人 amazon
ささやきがハチの羽音のように舞い上がる
飯田 栄彦 / 昔、そこに森があった amazon
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「声・口調」カテゴリからランダム5
(声は)気を許した女からばかり聞かれるような甘たるい親しさがこもっていた。
有島武郎 / 或る女
部屋に降りた沈黙は息苦しく、深い悲しみに満ちていた。そこにある無言の思いは、地表をえぐり、深い湖を作り出していく古代の氷河のように重く、孤独だった。
村上 春樹 / 色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年 amazon
友達が前から歩いてきます。楽しみ? 面倒? 目に映る景色がちゃんと心に入ってきますか? 音楽は? 外国のことを考えてみて。行きたい? わくわくする?それとも面倒?」 母はまるでお芝居の舞台にいるように、 瞑想 のテープみたいに上手にたずねた。
吉本 ばなな「アムリタ〈上〉 (新潮文庫)」に収録 amazon
甲高くはないが引き攣った声。
沼田 まほかる「彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
夏目漱石 / 吾輩は猫である
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