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流れ風が、始めてなま暖かく、柱の間を吹いて、うす甘い凌霄花 のにおいが、どこからかそっと一同の鼻を襲った。
芥川龍之介 / 偸盗 ページ位置:92% 作品を確認(青空文庫)
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隙間風・風が室内に入る
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......ておろう。」 「や、上で猫 が鳴くぞ。」 みな、一時にひっそりとなった。その中を、絶え絶えにつづく猪熊 の爺 のうなり声と一つになって、かすかに猫の声が聞こえて来る。と流れ風が、始めてなま暖かく、柱の間を吹いて、うす甘い凌霄花 のにおいが、どこからかそっと一同の鼻を襲った。 「猫も化けるそうな。」 「阿濃 の相手には、猫の化けた、老いぼれが相当じゃよ。」 すると、沙金 が、衣 ずれの音をさせて、たしなめるように、こう言った。 「猫じゃないよ。......
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隙間風・風が室内に入るの表現・描写・類語(風のカテゴリ)の一覧 ランダム5
秋風にがたつく戸が細目にあいてる間から吹き込んだと見えてランプはいつの間 にか消えている
夏目漱石 / 吾輩は猫である
風が筒抜けで馬鹿のように悲しくなる
林芙美子 / 新版 放浪記
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水の辺 に立枯れてゐる蓬 の葉を、ゆする程の風もない。
芥川龍之介 / 芋粥
吊るされたいくつもの干しイカが潮風になぶられている。
吉田修一「悪人」に収録 amazon
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