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生ぬるい水中へぎゅーんと五体がただ一つの勢力となって突入 し、全皮膚 の全感覚が、重くて自由で、柔軟 で、緻密な液体に愛撫 され始めると何もかも忘れ去って、小初は「海豚 の歓 び」を歓び始める。《…略…》すべては水の中の気持で生きなければならない。
岡本かの子 / 渾沌未分 ページ位置:23% 作品を確認(青空文庫)
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水に飛び込む
自由に生きる・やりたいことをやる
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前後の文章を含んだ引用
......、レヴュウ・ガールとも近附 のある小初は、媚 というねたねたしたものを近代的な軽快な魅力に飜訳 し、古典的な青海流の飛込みの型にそっと織り込ますことぐらい容易である。生ぬるい水中へぎゅーんと五体がただ一つの勢力となって突入 し、全皮膚 の全感覚が、重くて自由で、柔軟 で、緻密な液体に愛撫 され始めると何もかも忘れ去って、小初は「海豚 の歓 び」を歓び始める。小初の女学校時代からのたった一人の親友、女流文学者豊村女史にある時、小初は水中の世界の荒唐無稽 な歓びを、切れ切れの体験的な言葉で語った。すると友達はその感情に関《…略…》待たれているという意識から薫のことがしとしとと身に沁みて来た。だがそれはほんの肉体的のものである。少くともいまはそう思い直さねばならない。くず折れてはならない。すべては水の中の気持で生きなければならない。向って来るものはみんな喰べて、滋養 にして、私は逞ましい魚にならなければならない。小初はぐっと横着な気持になって、化粧の出来上った顔に電球を持ち添えて 「これでは、......
単語の意味
五体(ごたい)
海豚(いるか)
五体・・・身体を構成する五つの部分。頭・首・胸・手・足。また、頭・両手・両足。漢方では、筋・脈・肉・骨・皮。転じて、全身。
海豚・・・歯クジラ類のうちの小形種の総称。体長1~5メ-トル。両顎に歯があり、体形は紡錘(ぼうすい)状で頭部は長く延びる。背びれはふつう鎌形で大きい。意思疎通に音波を用いて群をなして遊泳。知能が高くて人に馴れやすい。しばしば船舶に平行して走る。
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水に足を踏み込む。ジャバン! とまるで湯船に足をつけたように水音が大きく反響して、この窪地が異様なまでに静かだったことに今さらに気づく。膝上までの重い水の中を歩くと、一歩毎に大きな水音が響く。俺は無垢で真っ白だったなにかを土足で汚しているような気持ちになってくる。俺がやってくるまでは、この場所は完璧な沈黙の中にあったのだ。俺は歓迎されていない。直感的にそう思う。
新海 誠「小説 君の名は。 (角川文庫)」に収録 amazon
岡本かの子 / 渾沌未分
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すがすがしいくらい好き勝手
綿矢 りさ / かわいそうだね?「かわいそうだね? (文春文庫)」に収録 amazon
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(長い1日が終わる)永い絵巻のような夜の終わりを感じていた。
梶井基次郎 / 冬の蠅
不意にどこからか、ささやかな偶然が舞い降りてきた気がした。
小川 洋子 / 一つの歌を分け合う「口笛の上手な白雪姫」に収録 amazon
配電盤、砂場、貯水池、ゴルフ・コース、セーターの綻び、そしてピンボール……どこまで行けばいいのだろうと思う。脈絡のないバラバラのカードを抱えたまま僕は途方に暮れていた。
村上 春樹「1973年のピンボール (講談社文庫)」に収録 amazon
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ペタン、ペタンと渚を洗う静かな波の音が聞こえる
壷井 栄 / 大根の葉 (1960年) amazon
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