畑の真中ほどに桐の樹が二本繁っている。葉が落ちかけて居るけれど、十月の熱を凌 ぐには十分だ。
伊藤左千夫 / 野菊の墓 ページ位置:33% 作品を確認(青空文庫)
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木漏れ日
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前後の文章を含んだ引用
......朝日がさしていると目 ぶしい様に綺麗だ。 「まアよくえんでること。今日採りにきてよい事しました」 民子は女だけに、棉の綺麗にえんでるのを見て嬉しそうにそう云った。畑の真中ほどに桐の樹が二本繁っている。葉が落ちかけて居るけれど、十月の熱を凌 ぐには十分だ。ここへあたりの黍殻 を寄せて二人が陣どる。弁当包みを枝へ釣る。天気のよいのに山路を急いだから、汗ばんで熱い。着物を一枚ずつ脱ぐ。風を懐 へ入れ足を展 して休む。青ぎっ......
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木漏れ日が鍋の湯気に虹を流す
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