(船上から)波また波と果てしもなく連なる水の堆積 をはるばるとながめやった。
有島武郎 / 或る女(前編) ページ位置:48% 作品を確認(青空文庫)
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海
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前後の文章を含んだ引用
......し広げて、頬 には血液がちくちくと軽く針をさすように皮膚に近く突き進んで来るのが感ぜられた。葉子は散歩客には構わずに甲板を横ぎって船べりの手欄 によりかかりながら、波また波と果てしもなく連なる水の堆積 をはるばるとながめやった。折り重なった鈍色 の雲のかなたに夕日の影は跡形もなく消えうせて、闇 は重い不思議な瓦斯 のように力強くすべての物を押しひしゃげていた。雪をたっぷり含んだ空だけが、その......
単語の意味
堆積(たいせき)
遥遥・遥々(はるばる・はろばろ)
堆積・・・何重にも高く積み重なること(もの)。雨風など自然の力で土砂が運ばれて、地表や水底にたまること。
遥遥・遥々・・・距離や時間、程度がかけ離れているさま。遠くまで範囲が広がっているさま。はるかに。
同じ漢字を重ねることで、語調を整えて意味を強めた表現。
同じ漢字を重ねることで、語調を整えて意味を強めた表現。
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海の表現・描写・類語(水面・水中・水辺のカテゴリ)の一覧 ランダム5
明るい、快活な、生き生きした海
梶井基次郎 / 海 断片
青い海が漠々と果てもなく広がって
林芙美子 / 新版 放浪記
この大自然を見ていると、なんと人間の力のちっぽけな事よと思うなり。
林芙美子 / 新版 放浪記
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「水面・水中・水辺」カテゴリからランダム5
海を渡る風が起こした細波が、時折、鏡のような水面に皺を寄せては走り抜けて行く
景山 民夫 / 遠い海から来たCOO amazon
水の少ない時期には流れはそっくり砂地に吸い込まれ、あとには微かな湿り気を残した白い砂の道だけが残る。僕は散歩のついでにそんな道を上流まで辿り、川が川床に吸い込まれていくポイントを探したものだった。そこでは流れの最後の細い一筋がふと何かをみつけたといった感じで立ち止まり、そして次の瞬間にはもう消えていた。地底の闇が彼らをそっと呑み込んでいった。
村上 春樹「羊をめぐる冒険」に収録 amazon
細かいガラス屑のような飛沫
前田河広一郎 / 三等船室「現代日本文学大系 (59)」に収録 amazon
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