自分達二人が愧 しいような、大きな家の隅っこにいじけてかたまっているような、いやな心持がした。
宮本百合子 / 伸子 ページ位置:36% 作品を確認(青空文庫)
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居心地が悪い
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前後の文章を含んだ引用
......ら待ってらして頂戴ね」 母は、悪意もなく皮肉に云った。 「それはそれは。――宿屋暮しのようで御不自由なことだね」 母に後を向け、小さな盆に湯呑をのせていた伸子は、自分達二人が愧 しいような、大きな家の隅っこにいじけてかたまっているような、いやな心持がした。部屋まで数間の廊下、伸子の感情は複雑に動いた。 ――そういう経験もあり、彼女は、如露を元の場所に戻し、バケツをとり上げながら、佃に云った。 「私足がよごれたからお......
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居心地が悪いの表現・描写・類語(室内のようすのカテゴリ)の一覧 ランダム5
ラブホテルの内壁は、コンクリートにそのまま壁紙を張ったような、息がつまる部屋だった。
吉田修一「悪人」に収録 amazon
自分の裡に起こった何故か跋 の悪いような感情
梶井基次郎 / 冬の日
宮本百合子 / 伸子
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「室内のようす」カテゴリからランダム5
(古い造りの平屋)昔の家だからか、天井が低く、全体的にこぢんまりしている。玄関の正面にある襖は閉じられていて、にな川はその襖の脇にある磨りガラスの敷居戸を開けた。薄暗い板張りの細長い廊下が長く続いていて、靴下を通して、板廊下の冷たさが足の裏に染みてくる。今が初夏だということを忘れさせてくれる家だ。廊下の奥にある引き戸の先には、日当たりの悪い狭い庭があり、《…略…》庭には盆栽や古雑誌、旧式の小さな洗濯機や物干し竿なんかがあって、さしずめ屋根のない物置きといったところ。足元の生えっ放しの雑草には、蚊が群がっている。
綿矢 りさ / 蹴りたい背中 amazon
鍵は鍵穴に不自然なくらいぴったりとなじんでいた。鍵は僕の手の中でくるりと回転し、かちりという気持の良い音を立てて錠が外れた。
村上 春樹「羊をめぐる冒険」に収録 amazon
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