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輝かしい過去がある一方、そうしたミスもあったのだ。しかし、そのことは別に遠屋則武の権威を傷つけることでもなかった。かえって、傲岸不遜で知られた一代のボスに人間性をすら感じさせていた。
松本 清張 / 美の虚像「松本清張ジャンル別作品集(3) 美術ミステリ (双葉文庫)」に収録 ページ位置:42% 作品を確認(amazon)
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前後の文章を含んだ引用
......し絵といっしょに埃を積んでいる。 いまでは、あれは遠屋則武の目利き違いであったというのが通説として落ちついていた。遠屋則武も神様ではない。松原・西岡を世に出した輝かしい過去がある一方、そうしたミスもあったのだ。しかし、そのことは別に遠屋則武の権威を傷つけることでもなかった。かえって、傲岸不遜で知られた一代のボスに人間性をすら感じさせていた。 それはそれとして、とにかくファン・ダイクの贋作説をたしかめるため、都久井は小坂田に会ってみたいと思った。小坂田は遠屋の推輓をうけて以来、ひところ新聞社文化部の......
単語の意味
傲岸(ごうがん)
傲岸不遜(ごうがんふそん)
不遜(ふそん)
輝かしい(かがやかしい)
傲岸・・・自分は偉い人間だと思い、威張っていること。また、そのさま。
傲岸不遜・・・自分は偉い人間だと思い、相手を見下すこと。また、そのさま。
不遜・・・思いあがって相手を見下すこと。謙遜の気持ちが無いこと。また、そのさま。
輝かしい・・・1.光り輝くように素晴らしい。華々しい。立派だ。
2.まぶしいほどに光り輝いている。キラキラしている。
2.まぶしいほどに光り輝いている。キラキラしている。
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失敗・ミス・不手際の表現・描写・類語(失敗・損失のカテゴリ)の一覧 ランダム5
(不注意)心が留守になっているとつまずきが多いものだ。
林芙美子 / 新版 放浪記
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目立つプログラムだった割に、彼の演奏は、ほとんど評判にならなかった。 記事の扱いも小さく、フェスティヴァルのスタッフが日々更新するブログにも、 極 あっさりとした報告が載ったに過ぎなかった。 パッとしなかった と言うべきか、それは、大失敗して酷評されるよりも、今の彼には一層応える結果だった。
平野 啓一郎「マチネの終わりに (文春文庫)」に収録 amazon
ほとんど何もせず、 蜘蛛 が巣に 餌 のかかるようにじっと待っていた
遠藤周作「沈黙(新潮文庫)」に収録 amazon
数式の世界に逃げ込むことによって、現実というやっかいな檻を抜け出すことができた。頭の中のスイッチをオンにさえすれば、自分がそちらの世界に苦もなく移行できるという事実に、小さい頃から気づいていた。そしてその限りのない整合性の領域を探索し、歩きまわっているかぎり、彼はどこまでも自由だった。彼は巨大な建物の曲がりくねった廊下を進み、番号のふられたドアを次々に開けていった。新しい光景が眼前に開けるたびに、現実の世界に残してきた醜い痕跡は薄れ、あっさりと消え去っていった。数式の司る世界は、彼にとっての合法的な、そしてどこまでも安全な隠れ場所だった。天吾はその世界の地理を誰よりも正確に理解していたし、的確に正しいルートを選ぶことができた。誰もあとを追いかけてくることはできなかった。そちらの世界にいるあいだは、現実の世界が押しつけてくる規則や重荷をきれいに忘れ、無視することができた。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 1 amazon
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