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小説書きは、それぞれに自分の体質と性格に適した方法で発想をし、仕事をすすめて行くわけだが、なんといっても、一つ一つ、仕上げてゆく仕事が同じものではいけないことが苦しい。  もっとも辛いのは五、六十枚の短篇小説であって、これは短い日数のうちに一つの主題を完結させねばならないから、まったく油断も隙もあったものではない。私などは五十枚のものだったら五日間、一日十枚を書くつもりで日数をとっておかぬと、安心ができない。連載小説の場合は、一つの長いストーリーを一年なり一年半なりかけて、準備をし、さらに、それと同じ月日をかけて書きすすめてゆくわけだから、当然、登場して来る諸人物の性格も発酵しているわけだ。  そうした作業を、短篇ではわずかな日数と枚数で仕上げねばならぬ。まことに苦しいのだけれども、短篇小説を書くことからはなれてしまうと、私の場合は長篇を書くときの自信がもてない。  短篇を書いて構成力を養っておかぬと、どうも安心ができないのだ。
池波 正太郎「食卓の情景 (新潮文庫)」に収録 ページ位置:17% 作品を確認(amazon)
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......ってました。〔但馬軒〕の馬さんが鍋なべといっしょにお待ちかねです」 こういう友人が旅の空にいてくれることは、まったくうれしくて、ありがたいことだ。梅雨の湯豆腐 小説書きは、それぞれに自分の体質と性格に適した方法で発想をし、仕事をすすめて行くわけだが、なんといっても、一つ一つ、仕上げてゆく仕事が同じものではいけないことが苦しい。 もっとも辛いのは五、六十枚の短篇小説であって、これは短い日数のうちに一つの主題を完結させねばならないから、まったく油断も隙もあったものではない。私などは五十枚のものだったら五日間、一日十枚を書くつもりで日数をとっておかぬと、安心ができない。連載小説の場合は、一つの長いストーリーを一年なり一年半なりかけて、準備をし、さらに、それと同じ月日をかけて書きすすめてゆくわけだから、当然、登場して来る諸人物の性格も発酵しているわけだ。 そうした作業を、短篇ではわずかな日数と枚数で仕上げねばならぬ。まことに苦しいのだけれども、短篇小説を書くことからはなれてしまうと、私の場合は長篇を書くときの自信がもてない。 短篇を書いて構成力を養っておかぬと、どうも安心ができないのだ。 現在は〔鬼平犯科帳〕と〔剣客商売〕の二篇を連載しているが、二つとも連載でありながら毎月毎月、独立した短篇から成立っている。 しかし、主人公たちには変りないので......
単語の意味
体質(たいしつ)
体質・・・1.その人が生まれながらにもっている、体の性質。
2.団体や組織などがもつ、性質や特徴。
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巻き戻しのように上手に後ずさっていってしまう
吉本 ばなな「アムリタ〈上〉 (新潮文庫)」に収録 amazon
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