（道頓堀川）夜、幾つかの色あざやかな光彩がそのまわりに林立するとき、川は実像から無数の生あるものを奪い取る 黯 い鏡と化してしまう。不信や 倦怠 や情欲や野心や、その他まといついているさまざまな 夾雑物きょうざつぶつ をくるりと 剥いで、鏡はくらがりの底に簡略な、実際の色や形よりもはるかに美しい虚像を映し出してみせる。

河原の闇の底を流れる川水が仄かな光を放つ

青く澄んだ川の水は油のように流れて

河に突き墜（おと）された雪の塊が、船の間にしきりに流れて来る。それに陽がさすと窈幻（ようげん）な氷山にも見える。

玉の簾（すだれ）を百千に砕いたような谷川

丈高のうねりが岸の近くでひときわ激しく盛り上げる

葦がひょろひょろと生えている

（多摩川）広い川幅に水流が分散しているためか川面の所々に、砂利の中州が見える。

Ｈ湾は蒼い水たまりのよう

巨大な波の塊