遠くの葦の葉ずれが、ひそひそと耳にささやくように聞える。
岡本かの子 / 渾沌未分 ページ位置:77% 作品を確認(青空文庫)
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草木のざわめき
葦(あし)
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前後の文章を含んだ引用
......淵のはなし、友が訳した希臘 の狂詩――水中に潜む渾沌未分の世界……「どうでもいいわ」……小初はすべてをぶん流したあとの涼やかさを想像した。小初の泣き顔の涙も乾いて遠くの葦の葉ずれが、ひそひそと耳にささやくように聞える。小初はまたしても眠くなった。 薫は腹這 いから立ち上った。腰だけの水泳着の浅いひだから綺麗な砂をほろほろ零 しながらいい体格の少年の姿で歩き出した。小初はしばらくそ......
単語の意味
葦・蘆・葭(あし)
葉擦れ(はずれ)
葦・蘆・葭・・・水辺に生える草の一種。沼や川の岸に群がって生える。若芽は食用になり、茎は編んですだれを作る。
葉擦れ・・・草木の葉が風で擦れ合うこと。また、その時の音。
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草木のざわめきの表現・描写・類語(音の響きのカテゴリ)の一覧 ランダム5
その葉がチラチラ光ってゆすれ互いにぶっつかり合って微妙な音をたてるのでした。
宮沢賢治 / ひかりの素足
くさむらが風の通り跡を印して穂先を倒し、けもののように動いていた。及川隆一の視線が、その獣の背中の毛のようにきらめく雑草の拡がりから、何か不可解な動揺を、彼の脳髄につたえる。草むらは次々と穂先をひるがえして、波を送る。
野間 宏 / 崩解感覚「暗い絵・顔の中の赤い月 (講談社文芸文庫)」に収録 amazon
がさがさ笹にさわる音がして
伊藤左千夫 / 野菊の墓
樹々の葉のすれあう音
村上 春樹「羊をめぐる冒険」に収録 amazon
梢の悲鳴が渦巻く白い闇の奥で甲高く鳴る
日野 啓三 / 抱擁 amazon
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葦(あし)の表現・描写・類語(水面・水中・水辺のカテゴリ)の一覧 ランダム5
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重い靴の音
夏目漱石 / 吾輩は猫である
発進しかけた車にクラクションをぶつけられた。
重松 清「流星ワゴン (講談社文庫)」に収録 amazon
ごぼごぼと物の煮えたぎるような音
石坂洋次郎 / 青い山脈 amazon
「植物」カテゴリからランダム5
店の前の植込には、彼岸花がしおたれるとインパチェンスが咲いた。それが散るとシクラメンが植えられた。どれも幻のほむらのように赤く、静かな花だった。
浅田次郎 / 伽羅「鉄道員(ぽっぽや) (集英社文庫)」に収録 amazon
「水面・水中・水辺」カテゴリからランダム5
しゃら/\川瀬の音を立てゝいた。
岡本かの子 / 巴里祭
川はその向うに、一条の鋼鉄の線をなして横わり、風景を切って 遽 だしく滑っていた。
大岡 昇平「野火(新潮文庫)」に収録 amazon
欲望をむきだしにしたしつこく甘えかかるような鷗(かもめ)の鳴き声
阿部 昭 / 千年 (1977年) amazon
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